医療機器の所在や点検履歴、無線で一元管理
大成建設、フクダ電子が開発
日経新聞 2013年8月13日配信
大成建設と医療機器大手のフクダ電子は、病院で使う医療機器の所在や点検履歴の情報を一元管理できるシステムを共同開発した。
点滴用の輸液ポンプなどにICタグを取りつけて無線で場所を把握、紛失を防ぐ。
消耗部品の交換日なども合わせて記録し、保有機器をより安全に運用できる。コストと医療スタッフの負担を軽減できるシステムとして提案する。
大成建設と埼玉医科大学が共同開発した医療機器の所在把握システムと、フクダ電子が持つ点検履歴などの情報管理システムを連携させた。輸液ポンプのほか人工呼吸器などにICタグを装着。
院内の各所にアンテナを設置し無線で位置を捕捉する。
機器の管理を担う臨床工学技士などはパソコンの画面上で簡単に所在などを確認できる。
現状では台帳への手書き記録や機器に貼り付けたバーコードの読み取りなどが中心。
しかし急患対応などの際には管理手順が踏めないことも多く、使用後に機器などが所在不明になることがあった。
新システムの導入で余分な在庫を持たずに済み、管理の手間とコストが省ける。
点検履歴や使用年数もシステム上で機器ごとに入力できる。使用後の消耗部品の交換や動作確認といった機器の保守体制を強化できる。
病床数100〜300床で機器100台の管理を想定した導入費用は900万円程度という。
まずはフクダ電子の営業網を活用して全国の病院に提案し、3年で50件の受注を目指す。大成建設はこのシステムを組み込んだ新築提案も積極的に実施し、建設工事の受注拡大を狙う。
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