日本経済新聞 2013年10月17日 21:35
頭痛や肩こりなどを緩和するための医療機器の販売で、根拠がないのに「高血圧や糖尿病が治る」と口頭で効果を誇大にうたったのは景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして、消費者庁は17日、製造販売会社ヘルス(東京都府中市)に再発防止を求める措置命令を出した。
http://www.caa.go.jp/representation/pdf/131017premiums.pdf
口頭での売り込みに同法を適用して行政処分するのは2009年の消費者庁発足以来初めて。
同社は電位治療器と呼ばれる「パワーヘルス」を1台約50万円で販売。機器をつないだマットに横たわると肩こりなどを和らげるとされ、厚生労働省告示による基準で「頭痛、肩こり、不眠症及び慢性便秘の緩解」の効果を宣伝することは認められている。
消費者庁によると、同社は10年11月〜13年4月に全国で無料体験会を開き、高齢者らに高血圧や糖尿病にも効くと説明してパワーヘルスを販売。
利用者の体験談としてDVDや冊子でも「乳がんが消えた」「C型肝炎から助かった」などと紹介した。同庁が根拠を示す資料を求めたが、提出しなかったという。
同社は1978年設立。これまでに約40万台を販売したとしている。12年度は約2万3千台を販売、約118億円を売り上げた。
ヘルスは「すでに説明方法を改善した。返品にも誠意をもって対応する」としている。
-----------------------------------
医療機器:誇大セールストークに措置命令 消費者庁
毎日新聞 2013年10月17日 18時50分(最終更新 10月17日 18時57分)
頭痛や肩こりを和らげる医療機器について「あらゆる病気が治る」としたセールストークが景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして、消費者庁は17日、医療機器製造販売会社「ヘルス」(東京都府中市)に、再発防止を求める措置命令を出した。セールストークに景表法を適用して処分を行うのは、1970年以来43年ぶり。
消費者庁によると、ヘルス社は家庭用医療機器「パワーヘルス」を製造、販売している。全国の会場で無料体験会を開き販売しているが、2010年11月ごろから今年4月にかけて、営業員が根拠もないのに「高血圧や糖尿病が必ず治る」などと口頭で説明したほか、「パワーヘルスを使って弱視や肝硬変、半身まひが治った」と話す体験者を紹介した小冊子を配るなどした。
同庁によると、パワーヘルスは薬事法による家庭用電位治療器で、「頭痛、肩こり、不眠症及び慢性便秘の緩解(軽減)」の宣伝は認められている。1台41万、47万、53万円の3種類あり、購入者の大半が高齢者。12年度は約2万3000台、118億2500万円を売り上げた。
ヘルス社は「指摘通りで、対応したい」として、希望者には規定に基づき返品などの対応をとるとしている。【大迫麻記子】
記事提供
© Dentwave.com