医療情報15年に全県共有 システム開始で祝賀会/宮城
毎日新聞 2013年09月07日
医療機関や介護施設などが患者の医療・健康情報を共有し、患者らがどの機関・施設に行っても重複検査などを避けられるシステムの開始記念祝賀会が6日、仙台市内であった。
東日本大震災で医療機関がカルテを失い、診療などが混乱した経験を踏まえたシステム整備で、県は「福祉施設なども加わるのは全国初」としている。
7月に部分開始しており、2015年春までに県内全域で運用する。
事業主体は、嘉数研二・県医師会会長が理事長を務める一般社団法人「みやぎ医療福祉情報ネットワーク協議会」。
県内1カ所のセンターに電子カルテ化された診療などの情報を集約し、医療機関や薬局、高齢者福祉施設などが利用する。
患者が受診機関を変えるたびに同じ検査を受けることを避けたり、高齢者福祉施設でのケアに生かしたりする。
運用は7月、石巻・気仙沼地域で開始。中核2病院を含む医療機関や介護事業所、薬局など計74施設が参加している。地域内の機関・施設の約2割の数で、さらに多くの参加を呼びかける予定だ。
嘉数理事長が「震災後の失敗を繰り返さないため、いつ、どこでも、生涯一貫医療・福祉を受けることを可能にする宮城モデルを構築したい」、村井嘉浩知事は「復興にも大きく寄与する。県も連携し、協力したい」と述べた。
(久木田照子)
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