介護報酬1.2%の引き上げ、実質マイナス改定である

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2011 年 12 月 22 日 全国保険医団体連合会 会長   住江 憲勇小宮山洋子厚生労働大臣と安住淳財務大臣は、21 日の夜、2012 年度の介護報酬改定率について、1.2%の引き上げを行うことで合意した。介護崩壊の現状を少しでも改善するためには、少なくとも 2012 年3月末で期限を迎える介護職員処遇改善交付金を継続する必要があったが、全額国庫負担による介護職員処遇改善交付金の延長はせず、介護報酬で評価するとした。しかし、介護職員処遇改善交付金と同等の評価を介護報酬で行う場合は、約2%程度の介護報酬引き上げが必要と説明されていたにもかかわらず、1.2%の引き上げにとどまったことは、実質マイナス改定である。しかも、介護職員処遇改善交付金として実施した場合の国庫負担は、来年度ベースで1900億円だが、1.2%引き上げによる国庫負担は約 255 億円であり、国庫負担削減のつけは、利用者・国民(保険料・利用料負担増、地方負担増)と、サービス事業者・介護職員に押し付けられることになる。政権与党の民主党は、2009 年総選挙における「民主党の政権政策 Manifesto2009」において「介護労働者の賃金を月額4万円引き上げる」ことを国民に約束している。介護職員処遇改善交付金の介護報酬内化は、国民との約束を反故にするだけでなく、2009年に自公政権が創設した介護職員処遇改善交付金の考え方(被保険者や利用者、地方負担によらず国が責任をもって処遇改善を行う)からも大きく後退するものである。介護崩壊を生み出した最大の原因は、介護報酬の低さにある。2009 年4月改定で3%の報酬引き上げが行われたものの、2000 年の制度発足以来、2回連続のマイナス改定(2003年4月▲2.3%、2005 年 10 月及び 2006 年4月▲2.4%)分すら吸収できていない。そもそも、介護報酬引き上げは、介護事業所の必要経費を補填するとともに、公的介護保険の範囲や質・量を規定するものだが、その役割は、それだけにとどまらない。平成 22 年版厚生労働白書では、『とりわけ、医療・介護分野については、経済波及効果及び雇用創出効果がある。このため、...成長と雇用の創出が期待される』ことを明らかにするとともに、『社会保障を持続可能なものにするとともに、その充実を図り、不安を取り除くことで、消費を促し、経済を活性化させることも期待できる』と明記している。こうしたことから全国保険医団体連合会は、次の実現を強く求めるものである。記① 介護職員処遇改善交付金の介護報酬内化による負担増は、全て国庫負担の引き上げによって賄うこと。② 介護崩壊からの復旧・復興をはかり経済を活性化させるためにも、補正予算対応を含めて国庫負担を拡大し、介護報酬の実質的なプラス改定を行うこと。
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