3月1日付中国新聞社電によると、中国で一般庶民が抗生物質を多用したため、「スーパー病原菌」が急増している。 病院内でも耐性を持つ菌が多く確認されているという。 病院で黄色ブドウ球菌を調査したところ、60%以上が抗生物質に強い耐性を持つことが判明。抗生物質の多用により、中国国民は「命の代価」を支払わねばならないことになったという。一方、歯科分野では「四環素牙」と呼ばれる歯の異常着色や発育不全が急増。「四環素」は抗生物質のテトラサイクリンの中国語名で、1960年から80年まで、同抗生物質などを含む市販薬が「万能薬」として使われた結果という。 抗生物質はウイルス感染症には効果がないが、2003年の新型肺炎(SARS、サーズ)、2004年の鳥インフルエンザ流行時など、ウイルスに起因する伝染病が流行した際に、庶民が争って抗生物質を買い求め、売り上げがほぼ倍増する現象も発生した。 中国では2004年7月1日から抗生物質の購入には医師の処方せんが必要になった。抗生物質そのものは、簡単に購入できなくなったが、抗生物質を成分として含む胃腸薬や風邪薬は、現在でも市販されているという。
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