産経新聞 2013年8月6日 11時59分
「キラキラネームは止めて。患者取り違えの危険性が増す」−。
静岡県内の小児救急で活躍する男性医師が、先月30日に短文投稿サイト「ツイッター」でつぶやいた発言が議論を呼んでいる。
「キラキラネーム」などと呼ばれる一般の読み方と違った読み方をする漢字を使った名前の子供が最近増えているため、急いで患者のIDを作成しないといけない救急医療の現場で、IDの作成間違いなどの弊害が出る恐れがあることを訴えたもので、小児科医療の現場に一石を投じることになりそうだ。
男性医師は、ツイッター上で勤務先の病院名や実名も明かした上で、キラキラネームは救急隊から名前の表記を説明される際に時間がかかるため、「バイタル(脈拍や体温など)の確認にまでに時間がかかってしまう」とツイートした。
また漢字の説明に時間がかかる際は、いったんカタカナで患者のIDを作成した後に改めて漢字で正式なIDに変更するが、そのために必要な事務職員が24時間配置されていないという救急医療の現状も示した。
産経新聞の取材に応じた男性医師によれば、救急隊が伝えにくい難読の名字や外国人のIDを救急搬送時に作る機会はキラキラネームよりも少なく、「キラキラネームの方が困るのは日常茶飯事」だという。
ただ、男性医師は「キラキラネームでも実際の治療に支障があったことも遅れたこともない」と強調した上で、「(患者の取り違えなど)不利益が生じないように気を使うが、そういう名前の持ち主を差別するつもりは全くない」と話した。
ツイッターなどのネット上では、「子供におかしな名前を付けると割を食うのは子供ということを親にわかってほしい」など、男性医師の訴えに賛成する声が多く、男性医師は「8割以上は肯定してくれている」と驚いた様子だった。
一方、県こども未来局は「(男性医師が)主張している内容は間違っていないと思うが、子供の名前は親が熟慮した上で付けたもの。外部の人がいろいろと言うべきではない。立場を明らかにした上で自分の意見を示すことの社会的影響は考慮すべきだった」と話している。
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