読売新聞 2013年8月23日
がん治療後に口内細菌による感染症などが起きるのを防ぐため、がん診療の拠点病院でつくる「県がん診療連携協議会」(山本信一郎会長)と県歯科医師会(斉藤愛夫会長)は22日、患者の口腔(こうくう)ケアを連携して行うための合意書を締結した。
こうした連携体制を全県的に構築する例は、国内では珍しいという。
がん患者が抗がん剤や放射線などの治療を受けると、免疫力が低下し、口内で繁殖した細菌で肺炎などを起こしやすくなる。
激しい痛みを伴う口内炎が広範囲に現れる副作用も少なくない。
最悪の場合は治療の延期などにもつながるため、適切な口腔ケアや歯科治療が望まれる。
今回の連携は、がん患者を地元で継続的にケアする体制を整えるのが目的で、県歯科医師会が口内の状態の評価や、必要な管理などに関する研修を実施。
協議会に加盟する5病院は、研修を受けた最寄りの歯科医を患者に紹介し、がんの治療が始まる前からケアを受けられるようにする。
この日、福井市の県立病院で開かれた締結式で、斉藤会長は「がん患者のために、治療の一翼を担うことができれば」と話していた。
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