いのち健康を危機に陥れる消費税増税の判断に抗議

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2013年10月1日 

全国保険医団体連合会 

会長 住江憲勇

14年4月よりの消費税の増税実施の首相表明に抗議する

 

10月1日、安倍首相は消費税率を予定通り、来年4月に5%から8%へ引き上げる方針について正式表明した。私たち医師・歯科医師は、増税に伴う生活負担増により受診抑制をさらに広げ、国民のいのちと健康を危機に陥れるものとして、消費税増税の判断に抗議するものである。 

首相は、判断の基としてデフレマインドの変化を上げるが、依然として、内需の6割を占める肝心の個人消費は停滞している。サラリーマンの基本給は14ヶ月連続で減少し、年収も1997年の446万円をピークに約70万円低下している。8兆円に及ぶ増税に国民生活が耐えられないことは明らかである。とりわけ、被災者の暮らし・事業の再建に計り知れない打撃を与える。 

政府は、社会保障のための増税としてきたが、生活保護をはじめ医療・介護・年金など社会保障全般の削減・負担増が計画されている。一方、政府は、増税に伴う「景気腰折れ」対策を口実に、復興特別法人税の廃止の前倒し検討などを含む5兆円規模の経済対策を進め、さらに法人実効税率も引き下げようとしている。減税の恩恵は大企業に集中し、これまで以上に内部留保が積み増しされる。所得の低い者ほど過酷な増税をし、社会保障は削減した上、大企業には減税するというのは、あまりにも理不尽な政策であり、財政再建にも矛盾する。増税による「景気腰折れ」の原因は、国民の購買力の低下にある。従って、第一の選択は増税の中止である。

医療では、医療設備、医療機器・材料などの仕入れに消費税が課され、医療機関の負担となっている。消費税8%への引き上げに際して、基本診療料等への上乗せで対応する方向が検討されているが、医療機関の間に補填をめぐる不公平などをもたらす。患者に消費税を課さないとする「非課税」としつつ、事実上、患者にいっそうの消費税負担を強いるものとなる。

消費税の引き上げは、受診抑制を更に進行し、医療機関の経営を動揺させ、地域医療の崩壊に拍車をかける。引き続き、わたしたちは、消費税増税の中止と医療をはじめとする生活必需品への「ゼロ税率」を求めて、患者・国民と連帯して奮闘する決意である。

以上

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