「歯科用治療イスで世界シェア1位狙う」タカラベルモント
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「歯科用治療イスで世界シェア1位狙う」タカラベルモントの吉川秀隆会長兼社長
産経新聞 2013年8月28日 17:14
理美容機器最大手のタカラベルモント(大阪市中央区)は、理美容機器製造で培った技術を生かし、歯科用の治療イス事業を加速させている。10月にはベトナムで初の本格的な海外工場を稼働させ、世界生産能力を倍増。新興国への売り込みを強化する。
今後の事業戦略について、吉川秀隆会長兼社長に聞いた。(内山智彦)
−ベトナム工場建設の狙いは
「ここ数年、新興国の企業が当社と似た製品をつくり、低価格を武器に攻勢をかけている。国内生産にこだわってきたが、品質が高いだけでは勝てない。新興国市場向けに、良質のものを安くつくる必要があった。ベトナムは世界への供給拠点とする計画だ」
−生産、販売での工夫は
「海外初の一貫生産態勢を取り、従来品の半値程度に抑える。手薄だった中位以下の機種を充実させ、新興国市場を攻略する。
また低コスト生産は、海外市場だけでなく国内市場でも有効だ。新興国から輸入される低価格品とも戦える。低コストでの生産手法は、国内でのものづくりにも活用できる」
−新興国市場での課題は
「これまでは高価格帯が中心だったが、中級以下のラインアップが増える。販売チャネルの整備が鍵となるだろう。対象国の市場の特性を徹底的に調べる必要がある。商品によってブランド名を変えることも考えたい。アジア、南米、東欧が重点市場だ。ここに浸透し、創業100周年の平成33年に、歯科用治療イスで世界シェア1位を達成したい」
−「本業」の理美容関連事業での取り組みは
「国内の理美容業界は需要の頭打ちや過当競争で厳しいといわれるが、付加価値を付けたサービスを充実させている店舗は成長している。
注目しているのはネイル施術サービスだ。この10年で急成長している。男性向けに行う理容店が好調なことも特筆できる傾向だ。男性にも指先ケアの習慣を広める仕掛けができたらと考えている。従来のサービスのすき間を埋める努力をしていけ、着実な成長を続けられる」
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よしかわ・ひでたか
日本大経卒。昭和47年東京日産自動車販売。49年タカラベルモント。常務などを経て平成元年10月社長。11年6月から現職。大阪府出身。64歳。
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