【DDS フェスタ合同開催】第4回COE 《開発秘話》シュミテクト新製品 酸性保護層を形成する歯磨剤とは? 製品紹介ページ

【DDS フェスタ合同開催】第4回COE 《開発秘話》シュミテクト新製品 酸性保護層を形成する歯磨剤とは? 製品紹介ページ
シュミテクト史上はじめて知覚過敏ケア成分として2種類の有効成分を配合したプラチナプロテクトEX。弊社の長年の知覚過敏研究の念願の製品です。より多くの人の悩みに寄り添える、シュミテクト最高峰シリーズ プラチナプロテクトEXが完成しました。研究開発担当が、開発秘話とともに製品に込めた思いや製品解説をお伝えします。

レギュラータイプと集中ナイトケアの2タイプを発売

シュミテクトプラチナプロテクトEX
2種類の知覚過敏ケア有効成分を配合(クリアミント、クリアシトラスフレーバー)
シュミテクトプラチナプロテクトEX 集中ナイトケア
夜の効率的な知覚過敏ケアに着目して開発。2種類の知覚過敏ケア有効成分に加え、歯周病*予防成分なども配合。
上の2タイプ、合計3種類のラインナップをご用意しました。
*歯肉炎、歯周炎の総称

シュミテクト

シュミテクト史上初のダブルブロック処方

シュミテクトは世界的にはSensodyneで販売されていますが、本製品はSensodyneブランドの中でも、日本だけのオリジナル処方です。硝酸カリウムとともに、新たに配合された乳酸アルミニウムが、硝酸カリウムとともに、異なったアプローチで、歯の内側と外側から知覚過敏の原因にダブルで働きかけます。

シュミテクト
シュミテクトプラチナプロテクトEX ダブルブロック処方
  • ● 硝酸カリウムによる知覚の鈍麻
  • ● 新配合の乳酸アルミニウムによる象牙細管の封鎖

シュミテクトプラチナプロテクトEXだけの特徴

独自の象牙細管封鎖に関するデータ

イギリスのサウサンプトン大学と連携し、ヒト象牙質サンプルを用いて、知覚過敏症状を予防する作用機序である、象牙細管封鎖効果を確かめました。これらのデータは、本製品における、乳酸アルミニウムの知覚過敏症状予防に有効とされる象牙細管封鎖の作用を科学的にしっかりと示すことができた重要なデータであると考えます。

①口に入れた瞬間から始まる封鎖へのプロセス
走査電子顕微鏡(SEM)では、鮮明な封鎖効果を示す像が撮影され、乳酸アルミニウムが唾液との反応で速やかにイオン化して、象牙細管内に結晶をつくり保護層が形成されました。 ※in-vitro試験による
②寝ている間(8時間)に象牙細管を封鎖ー集中ナイトケアー
就寝中の効果を想定した8時間後の試験による測定では約63%の象牙細管の封鎖が確認されました。これはブラッシング直後の値から約2倍の封鎖率に増加しており、就寝相当時間である8時間の間に象牙細管の封鎖が強化されたためと考察されます。
③クエン酸(酸性)溶液洗浄後も封鎖効果の維持
酸性度の高い飲食を想定した酸性溶液(クエン酸)で洗浄後でも象牙細管封鎖度に変化はなく、封鎖効果の維持が確認されました。

鈍麻と封鎖の2つの異なる作用機序

知覚過敏とは?

象牙質知覚過敏症は世界の成人人口の大部分が罹患している、日常的によくみられる疾患です*1。その発症ピーク年齢は20~40歳であると言われています*2,3。
知覚過敏症は、熱刺激、触刺激、浸透圧刺激、化学刺激または電気刺激などに反応して露出した象牙質を通じて生じる短く鋭い一過性の痛みであり、他の歯科疾患とは異なります*4。知覚過敏による不快感は、長期間にわたって、摂取される飲食物の範囲を制限しており、患者さんの口腔衛生に関連するQOL(生活の質)に切実で深刻な影響を及ぼす可能性があります*5,6,7。したがって、歯科医院におけるプロフェッショナルケアで管理するのと同時に、患者さん自身が日頃から自分で行うホームケアによる双方での対処が大切となります。

鈍麻と封鎖

臨床における、知覚過敏抑制材には「知覚鈍麻」「組織液の凝固」「封鎖(結晶物)」「封鎖(レジン系)」という選択肢があります。しかし、患者さんが知覚過敏症を予防するため、日常生活でのホームケアとして用いられているのは医薬部外品の歯磨剤です。現状、日本の医薬部外品で『歯がしみるのを防ぐ』という効能・効果が認められている有効成分は「硝酸カリウム」と「乳酸アルミニウム」の2成分のみです。
この度、弊社は従来より処方されている「硝酸カリウム」に加え、シュミテクトシリーズ初となる新成分「乳酸アルミニウム」を導入することが「プラチナプロテクトEX」で叶いました。従って、
  • ● 知覚を鈍麻する「硝酸カリウム」
  • ● 象牙細管を封鎖する「乳酸アルミニウム」
によるダブルブロック処方というシリーズ初の設計となります。

この2成分においては『歯がしみるのを防ぐ』という効能・効果は同じですが、作用機序は全く異なります。その機序の違いを下図に示します。
ダブルブロック処方

解説:プラチナプロテクトEXのin-vitroによる象牙細管封鎖効果

ここでは弊社独自の象牙細管封鎖試験について解説します。

走査電子顕微鏡(SEM)による象牙細管封鎖効果

本製品による象牙細管封鎖を視覚的に示すために、象牙質サンプル(ヒト大臼歯、健全歯の歯冠部象牙質切片)に対し、その処置前後で、走査電子顕微鏡(SEM)で封鎖度合いを観察しました。処置前は象牙細管がすべて開口していますが、処置後は露出していた象牙細管が結晶状の物質で被覆されていることが分かります。これは、乳酸アルミニウムが唾液と反応してイオン化して結晶を析出し、象牙細管に保護層が形成されたためと考えられます。

-処置前後-

*集中ナイトケア適用
ダブルブロック処方

プラチナプロテクトEX 処置前 (×1,000倍)

クエン酸水溶液で酸処理後、超音波処理しスミヤー層を除去して象牙細管を開口させた。

すべての象牙細管が開口している

ダブルブロック処方

プラチナプロテクトEX 処置後 (×1,000倍)

歯磨剤約0.5gを使用し、露出した象牙質をブラシで30秒間、適度な手圧でブラッシングし、象牙細管に最大量の歯磨剤を取り込ませた。その後、得られた懸濁液にさらに30秒間沈殿させた後、懸濁液が除去されるまで脱イオン水で洗浄。この手順を計4回繰り返し、白金でコーティングした後にSEMで測定した。

露出した象牙細管が閉塞されていることが観察される

解説:口腔内における象牙細管封鎖へのプロセス

歯磨剤に含まれている乳酸アルミニウムは、口内に入って唾液と触れることで速やかにイオンとなります。そのあと、唾液中の成分である、リン酸イオンと結合しリン酸アルミニウムを形成して結晶化することで象牙細管を封鎖すると考えられています。
AlPO4

プラチナプロテクトEXの長時間封鎖・耐酸性効果*in-vitroによる

象牙細管封鎖率をPashley法にて測定を行いました。本製品の処置後(8時間後)、そして酸性溶液で洗浄後の結果を測定しました。象牙細管の長時間封鎖性や酸洗浄による封鎖率の変化について、乳酸アルミニウム処方の歯磨剤ではこれまで得られておらず、弊社独自のデータであり、プラチナプロテクトEXの象牙細管封鎖性を示す重要なデータと考えます。
プラチナプロテクトEXの長時間封鎖・耐酸性効果 

信頼できる科学にもとづく処方設計

最新の歯磨剤の処方開発は、高度な技術を必要とします。本製品は含有されるすべての成分・品質において洗練された処方の設計となりました。
① 有効な遊離フッ素濃度を含む、すべての成分の品質を担保。高濃度フッ素配合(1450ppm)
すべての有効成分はその効果を発揮できるように精密にコントロールされています。弊社の製品では、フッ素の配合量だけでなく、唾液中に溶け出し、遊離するフッ素濃度(遊離フッ素)もしっかり担保しています。乳酸アルミニウムとフッ素は、不溶物を形成して失活しやすいのですが、弊社製品ではこの失活を抑え、フッ素による虫歯予防の効果を正しく発揮できる処方です。しかも、高濃度のフッ素を配合(1450ppm) しました。
② 歯にやさしい処方
歯にやさしい低研磨性処方(集中ナイトケア)で、粘膜への刺激性テストなどもクリアしています。また乳酸アルミニウムを配合している処方としては珍しいpH中性域。ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)無添加の低発泡性のハミガキです。
③ 使いやすいフレーバー
乳酸アルミニウム独特の酸味を抑えるために、フレーバーにもこだわりました。自社で開発した多くのフレーバーから厳選を重ね、毎日快適に使っていただける使用感に仕上がっています。

要するに、シュミテクトシリーズ最高峰のプラチナプロテクトEXは、

  • 鈍麻と封鎖のダブルブロック処方
  • 就寝中に保護層が強化*集中ナイトケア
  • 耐酸性で酸に洗い流されにくい
  • 高濃度フッ素配合(1450ppm)
  • 低研磨(集中ナイトケア)・低発泡性・pH中性域
  • こだわりの毎日使いやすいフレーバー

一歩先をみすえた知覚過敏ケアを、象牙質知覚過敏と日々向き合う、歯科医療従事者の皆様と患者様に、
世界的に知覚過敏研究をリードする弊社が自信をもってお届けします。


シュミテクトに関する詳しい製品情報や患者さん向け製品サンプル、知覚過敏に関する最新の情報については 弊社ヘルスパートナーのサイトをご参照ください。https://www.haleonhealthpartner.com/ja-jp/oral-health/

出典
1. Addy M. Int Dent J. 2002;52:367-375.
2. Graf HE et al. J Dent Res. 1977;56:479.
3. Flynn J et al. J Dent. 1985;13:230-6.
4. Holland GR et al. J Clin Periodontol. 1997;24:808-813.
5. Goh V et al. J Clin Periodontol. 2016 Jul;43(7):595-602.
6. Gillam DG. Clin Oral Sci Dent. 2021;4:1–6.
7. Gillam DG. Management and prevention strategies for treating dentine hypersensitivity. January 20th, 2022.