TEKを作製する前に押さえておくべきこと4つ
1つ目は歯牙の形態を理解しておくことです。 これにより完成系のイメージがしやすく、TEK作製にかかる時間を短縮することができます。
2つ目は材料によってレジンの硬化時間や操作性が異なるため、使用する材料の特徴を事前に確認することです。
支台歯や隣在歯を見て適正なレジン液と粉の量を出せるようになると、時間と材料の無駄が無くなります。
全体の流れを頭に入れておくことで、焦らずひとつずつ作業をこなすことができます。
TEK作製の目標時間として前歯部、臼歯部それぞれ15分以内を目指しましょう。
既製冠を用いてTEKを作製するコツ3つ
横幅がぴったりのサイズのもの、もしくは少し大きめのサイズの既製冠を選びます。
切縁は隣在歯と、歯頚部は唇側のマージンラインに合うように削合し試適を行います。 この試適をした位置をしっかりと覚えておきましょう。
既製冠に筆積み法でレジンを入れツヤが少し無くなってから、試適した位置にぴったり合うように圧接します。 これが既製冠を用いてTEKを作製する最大のコツです。
お団子TEK法とは、レジンをお団子状に丸めた状態で支台歯に圧接してTEKを形作る方法です。
TEK作製の手順に沿って、コツを解説します!
正確なTEKを作製するためにあらかじめ歯髄の有無、マージンの位置、アンダーカットの有無、中心咬合位の位置などを確認します。
適量のレジン液と粉を出し、練り合わせるようにスパチュラを素早く回します。 ラバーカップを反対の手で固定するか把持すると、素早く正確に練り合わせることができます。 アンダーカットがある場合はレジンの軟らかさに注意が必要です。
TEKが外れなくなることを防ぐため、支台歯に歯科用分離材を筆や綿球などを用いて均一に塗布しておきます。 隣在歯にも塗布するようにします。
レジンを手に取るときはグローブにつかないよう、少量のワセリンをつけておきましょう。 その上で2.練和で作製したレジンを支台歯に圧接します。このとき近心・遠心にそれぞれレジンが入るよう圧接します。
マージンライン、コンタクトポイントをそれぞれ綺麗に出せると、素早く綺麗なTEKを作製することができます。
そのためには圧接した後にレジンが隣接面と接しているか、マージンラインよりも下がレジンに覆われているかを確認します。
レジンが硬化する前に、患者さんに中心咬合位でしっかりと噛んでもらい、咬合関係記録します。この手順を怠ると、咬合調整時に時間がかかってしまいます。
TEKの着脱を行うタイミングが早すぎると変形してしまいます。そのため硬化熱が起こり始めてからTEKの着脱を行いましょう。
着脱を行わずに放置してしまうとTEKが外れなくなってしまいます。着脱を繰り返し行なった後、おおむね熱が収まったら支台歯から外しましょう。
TEKを削るときにマージンラインを確認しながら行う必要が無いよう、鉛筆でマージンをなぞっておきます。
このときコンタクトポイントにも一緒に印をつけておくと良いでしょう。間違えて大切なコンタクトポイントを削ってしまうのを防げます。
用途に合った切れ味の良いバーを選択することで時間短縮につながります。
明らかな余剰セメントを削合する際に使用するバーと、細かな部分を削合するときのバーでは大きさも細さも異なります。
この最終ステップで時間がなくなり、焦って中途半端に調整や研磨を行うと
「仮歯の高さが高い」、「仮歯が舌に当たって痛い」などと患者さんが二度来院する原因になります。
また高さ、舌触りなどその場で確認できることはTEKをセットする前に確認しておきましょう。