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日本臨床歯周病学会 第97回関東支部教育研修会・第42回歯科衛生士セミナー合同研修会参加レポート

2024年8月18日(日)KABUTO ONE hall&conferenceにて、日本臨床歯周病学会 第97回関東支部教育研修会・第42回歯科衛生士セミナー合同研修会が開催されました。
これまで若年期・中年期・高齢期とライフステージに分けて開催された歯周治療の最終テーマとして、「ライフステージを考慮した歯周治療-老年期・フレイル期の歯周治療-」というテーマが掲げられ、約250名の歯科医師・歯科衛生士が参加していました。

開会式では、支部長の神山剛史先生より開会の言葉がありました。

神山剛史先生の言葉(一部抜粋)

関東支部の教育研修会、合同研修会にご参加いただきまして、誠にありがとうございます。 関東支部は、ライフステージを考慮した歯周治療ということで、ステージを3つに分けて研修会をやってまいりました。私がこのライフステージを考慮した歯周治療をやろうと思ったのは、世間のいろいろな雑誌を見ると、テクニックだったり、いろいろな治療法だったりとかがトピックとしてあがっていると思うんですけれど、患者さんありきの状態で、いろいろな方法をディスカッションするという形式というのは、なかなかないんじゃないかなと思っていました。

ですから、歯周外科をする方、インプラントをする方、しない方、どなたでも参加して、患者さんありきでディスカッションできる、 そういう場を作りたいと思ってやってまいりました。

午前中は、会員発表、ドクターと歯科衛生士と別れて、学生プログラムもあります。この会員発表も、学術委員の先生方と予演会をして、 4人の先生たちのケースをすごく見てまいりました。非常に患者さんとの信頼関係がとれている、素晴らしい症例ばかりです。

アプローチの仕方はさまざまかもしれませんが、ぜひそのような患者さんとどのような形でお話しして、計画を決めて、経過を見ていっているのかということを、ぜひ見ていただければなと思います。

関東支部の目玉である文献委員の出し物もあります。それも非常に分かりやすくまとめていただいていますので、ぜひ見ていただければと思います。 その後は学生プログラムもあります。ここにいる人は歯科医師の方が多いかもしれませんが、歯科医療従事者になってよかった、こんなにやりがいのある仕事なんだということを感じて、明日の臨床に役立てる内容になればと思います。
歯科医師向け・歯科衛生士向けの会員発表が各会場で行われ、文献委員会発表以降は合同での発表が実施されました。本研修会のテーマでもある「老年期」の歯周治療ということで、長期症例はもちろん、どのように患者と寄り添っていくかに重点が置かれた発表が行われていました。講演終了後の質疑応答・座長とのディスカッションは大いににぎわっておりました。
特に、千葉英史先生による特別講演では、「長期経過の老年期患者に学ぶ歯周治療の基本」について講演が行われ、複数の長期症例についてどのようにアプローチしていったのかが示されました。千葉先生の「患者と長期的な関係を築くために特別なことをしていない」との言葉は、多くの参加者に今後の臨床への希望を与えるものとなっていました。
また今回、学生プログラムも開催され、これからの歯科業界を担っていく学生たちが2つのグループに分かれ、ケーススタディを通して、熱いディスカッションが繰り広げていました。

ライフステージを考慮した歯周治療の最終章となった本会は、歯科医療従事者として、患者とどのように関わり、QOL向上に貢献していくのかが示される有意義な会となりました。

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