第2回:近年の歯科医師国家試験をぶった斬る!

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昨今、歯科医師国家試験の難化が叫ばれて久しい。残念ながら、その事実は認めざるをえない。また、歯科医師国家試験の難化に伴い、大学側も進級・卒業試験をより難しくする傾向にあり、低学年からの留年者が増加している。

そのような状況下にある、近年の歯科医師国家試験問題を前回解説した。しかしながら、難関化の要因は前回挙げた事項にとどまらない。今回は、別の切り口より昨今の国家試験事情を解説していきたい。

例題2(108A-1)

The goal of (  ) is to explain the physical and chemical factors that are responsible for the origin, development, and progression of life.( )に入るのはどれか。1 つ選べ

  • a. pedodontics
  • b. periodontology
  • c. physiology
  • d. prosthodontics
  • e. psychology
解答は






















解答:c
ケース2:医学英語問題

本問は、第108回歯科医師国家試験の最初を飾った問題である。いきなりの英文に面食らった受験者も多かったのではないだろうかと推測される。このような医学英語を扱った問題は近年増加傾向にある。

この問題にアプローチするには、まず問題文を和訳し、その意味を捉えなければならない。英文自体は不定詞、関係代名詞など、大学受験レベルのものなのであるが、英語が苦手な学生にとっては、そこがまず第一関門となる。なお、この問題文を訳すると、「(  )の目的は、生命の起源、成長、発達に関わる物理的・化学的要因を説明することである。」となる。訳すことができただろうか?

さらに、問題文が理解できたとして、次の関門が待ち受ける。選択肢の和訳である。それぞれの選択肢の意味がつかめないと、せっかく問題文を和訳した意味が無きものになってしまう。これが医学英語問題の怖さである。選択肢をaから順に訳すと、「pedodontics:小児歯科学」「periodontology:歯周病学」「physiology:生理学」「prosthodontics:補綴学」「psychology:心理学」である。

近年では、教養課程において英語の履修を行った大学でも、国家試験の受験にあたって「必修対策講座」などの一環として「医学英語」の講義を組み、医学英語の知識の強化を図る大学も存在するほどである。

今回の問題をまとめると、

  1. 『思考型の問題へのシフトが顕著であることに加え、医学英語の知識も要求されていることが伺える。』
次回も引き続き、近年の歯科医師国家試験のさらなる特徴を解説していきたい。

執筆:東京デンタルスクール 教務主任 岩脇 清一 氏
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