第62回春季日本歯周病学会学術大会

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▲第62回春季日本歯周病学会学術大会 シンポジウムの様子①
第62回春季日本歯周病学会学術大会 概要
2019年5月23日~25日の三日間、横浜市中区において、第62回日本春季歯周病学会学術大会が開催された。
第62回春季日本歯周病学会学術大会の大会長は、五味一博氏(鶴見大学歯学部歯周病学講座教授)である。神奈川県民ホール、ワークピア、横浜参貿ホールの3会場で講演や企業展示が行われた。日本各地から多くの歯科医療従事者が第62回日本春季歯周病学会学術大会の会場に来場した。
超高齢社会といった社会的背景や高齢者における歯周病罹患歯数が増加している背景から、高齢者のみならず歯周病に罹患している全患者に対して、これまで以上に侵襲が少なく、効率の良い、再発の少ない歯周治療が求められる。まさしく、第62回日本春季歯周病学会学術大会のメインテーマとなっている「低侵襲・高効率の歯周治療」を我々歯科医療従事者は積極的に取り組まなくてはならない。
第62回春季日本歯周病学会学術大会では、新たな試みとなる歯科衛生士特別講演(スイーツセミナー)が開催され、会場の外にも長蛇の列ができていた。市民公開講座(歯周病は未病のサイン~未病改善は歯周病の予防と治療から~)では、多くの一般市民が来場し、市民の歯周病に対する関心の高さが伺えた。
▲第62回春季日本歯周病学会学術大会 講演の様子②

聴講した講演のアウトライン


・低侵襲・高効率の歯周補綴
 座長:申 基喆(明海大学歯学部口腔生物再生医工学講座歯周病学分野)

・低侵襲、高効率の歯周治療 インプラントを利用した歯周補綴
 シンポジスト:西堀 雅一(西堀歯科医院)
・有床義歯補綴から歯周衛生を考える
 シンポジスト:大久保 力廣(鶴見大学歯学部有床義歯補綴学講座)
・連結や固定(クロスアーチスプリント)を利用した歯周補綴
 シンポジスト:東 克章(東歯科医院)

・口腔細菌が及ぼす全身疾患に対して高効果を狙うセルフケア法の提(ランチョンセミナー)
 演者:仲野 和彦(大阪大学大学院歯学研究科小児歯科学教室)
 共催:ウエルテック株式会社

・歯周病は未病のサイン~未病改善は歯周病の予防と治療から~(市民公開講座)
 座長:五味 一博(鶴見大学歯学部歯周病学講座)
 演者:花田 信弘(鶴見大学歯学部探索歯学講座)

第62回春季日本歯周病学会学術大会を終えて
▲第62回春季日本歯周病学会学術大会 市民公開講座の様子
今回、自身初となる日本歯周病学術大会への参加となったが、多くの歯科衛生士が来場していたため、会場内は非常に混雑していた。学術大会最終日のみの参加ではあったが、講演内容は今後自身が歯周治療を行う上で取り入れたくなるものが多かった。
第62回春季日本歯周病学会学術大会の講演を通じ、歯周治療に伴う菌血症がもたらす全身への悪影響を減らすことが重要であることを強く認識する機会になった。血管に侵入した口腔内細菌が認知症や動脈硬化、癌などの全身疾患の発症に深く関連していることが考えられており、SCやSRPなどの観血的処置を行う前に、口腔内細菌を可能な限り減らすことが肝要となる。
最近の研究では、低栄養状態が歯周病発症と関連していることが報告されている。我々歯科医療従事者は、プラークコントロールの改善に加え、栄養状態の改善にも焦点を置かなくてはならない。これからの歯周治療において、医師や介護士、栄養士など、多職種との連携が増々重要になっていくのは疑いの余地がない。
古川 雄亮(ふるかわ ゆうすけ)
  • 日本矯正歯科学会 所属

東北大学歯学部卒業後、九州大学大学院歯学府博士課程歯科矯正学分野および博士課程リーディングプログラム九州大学決断科学大学院プログラム修了。歯科医師(歯学博士)。バングラデシュやカンボジアにおいて国際歯科研究に従事。2018年より、ボリビアのコチャバンバで外来・訪問歯科診療に携わり、7月から株式会社メディカルネットに所属。主に、DentWaveやDentalTribuneなどのポータルサイトにおける記事製作に携わり、現在に至る。


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