睡眠の悩みを抱える歯科患者を「レーザー」が救う

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睡眠障害呼吸がレーザー治療で解決
Dental Tribune Internationalは、3/16号todayに掲載された記事 ” Breakthrough non-surgical laser sleep applications can aid dentistry patients” を紹介する。
いびきや不眠症など、睡眠に悩みを抱えている歯科患者は多い。現在の睡眠障害呼吸の主な治療方法としては、上気道の閉塞を減少させる治療が中心である。上気道に空気を送るCPAPや、下顎を前方位に位置付けるスリープスプリントを夜間に装着することにより、上気道を拡げ、睡眠時の呼吸を楽にする治療が一般的である。
しかしながら、日本の一部の医療機関において、レーザー照射による睡眠障害呼吸の治療を行っている所もある。レーザー治療を行うと、24時間鼻呼吸が楽になるという利点があり、成功率も高いことから、日本でも注目を浴びつつある。3/16号todayにレーザー治療による睡眠障害呼吸の改善メカニズムや効果についての記事が掲載されていたので、紹介する。
▲レーザー照射により口蓋・咽頭領域が明瞭に
レーザー治療が睡眠障害呼吸を改善する細胞学的メカニズム
レーザー照射箇所は、咽頭や軟口蓋の軟組織領域である。線維芽細胞などの細胞群がレーザーにより活性化され、たんぱく質産生が起こることが報告されている。レーザー照射により、既存の弾性線維が密になって整列し、新線維の生成が起こる。すると、弾性線維が引き締まり、見た目でも分かるほど、軟口蓋や口蓋垂が挙上される(上図)。結果、上気道容積量が増し、呼吸が楽になるというわけである。

レーザー治療の適応症例

・慢性的ないびき症
・上気道抵抗症候群(睡眠時無呼吸症候群の亜型、軽症型)
・軽度から中等度の睡眠時無呼吸症候群
・CPAPやスリープスプリントを選択しない場合

*レーザー治療はCPAPやスリープスプリントと併用することも可能である。

日本でのレーザー治療は医療保険対象外
レーザー治療による睡眠障害呼吸の改善に興味を持った読者も多いかもしれないが、日本では医療保険でカバーされていない。一回のレーザー照射につき、10万円程度の金額設定をしている医院が多く、経済的負担が大きいのも現実的である。
加えて、1回の照射では不十分なこともあり、複数回の照射が必要になることもある。レーザー照射による睡眠障害呼吸の改善持続期間に関しては、6か月から1年という報告もあり、永続的な治療ではなく、完璧な代替治療にもなり得ない。
以上より、CPAPやスリープスプリントで改善のない患者に対し、積極的にレーザー治療による改善を検討することが、妥当ではないだろか。
本記事が読者の参考になれば、幸いである。

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