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記事

2019/01/28

霊峰富士を望む キリン富士御殿場蒸溜所

富士御殿場蒸溜所

富士御殿場蒸溜所の成り立ち

標高3776m、古くから日本の象徴の一つとして神聖視されている富士山。今では世界文化遺産として日本のみならず世界中の人々に注目されている。この富士山の麓に、同じく日本を代表する蒸溜所が存在している。「キリンディスティラリー 富士御殿場蒸溜所」である。
富士御殿場蒸溜所が稼働し始めたのは1973年。キリンビール社と、当時世界有数の洋酒会社であったアメリカのJ.E.シーグラム社、イギリスのシーバス・ブラザーズ社の3社による合弁会社「キリン・シーグラム社」によって建設された。そのため蒸溜所はスコッチのみならず、バーボンの製造技術も取り入れ、結果として世界的にも珍しい蒸溜所が生まれることとなった。
富士御殿場蒸溜所 ▲キリン富士御殿場蒸溜所

蒸留器の使い分け

通常、ウイスキー蒸溜所と言うと単式蒸留器を使用するモルトウイスキー、もしくはグレーンのどちらかのみを製造するところがほとんど。しかし、富士御殿場蒸溜所ではモルト・グレーンの両方を製造する設備を備えている。このことにより、シングルモルト・シングルグレーン、各々をブレンドしたブレンデッドなどタイプの違うウイスキーを生み出すことができる。
このように複数ある蒸留器の中でも、富士御殿場蒸溜所で生み出される原酒づくりに単式蒸留器と共に大きな役割を果たしているのが連続式蒸留器だ。この蒸留器は連続式蒸留器とモルトウイスキー用とは別の単式蒸留器を組み合わせることにより多彩なグレーンウイスキーをつくることができる。
これらの蒸留器で最も大きいのが「マルチカラム」と呼ばれる連続式蒸留器。蒸留を行う「蒸留塔」の高さは20mにも及ぶ。これを5本組み合わせて蒸留が行われる。この蒸留器から産み出されるグレーンウイスキーは比較的ライトなタイプに仕上がる。
次に「ケトル」と呼ばれる単式蒸留器。これはマルチカラムの第一塔「ビアカラム」と組み合わせて使用される。この蒸留器は非常に珍しいもので連続式蒸留よりも手間がかかる分、適度なボディ感と芳醇な香りを残したミディアムタイプのグレーンウイスキーを蒸留することができる。このグレーンウイスキーは富士御殿場蒸溜所で作られるウイスキーの中核を成す存在となる。
そしてもう一つ、「ダブラー」という蒸留器も存在している。これはバーボンの蒸溜所でよく用いられる設備で、やはりビアカラムと組み合わせて使用される。上記2つの蒸留方法と比べて、バーボンに似たより味わい豊かで重厚なヘビータイプのグレーンウイスキーを蒸留することができる。
このような蒸留器を使い分けることで、富士御殿場蒸溜所では実にさまざまなグレーンウイスキーをつくっている。富士御殿場蒸溜所では、グレーンウイスキーをモルトウイスキーの引き立て役とは考えていない。グレーンウイスキーはブレンドにおけるキーの一つとして重要な原酒であると捉えているのだ。

単式蒸留器(ポットスチル)
こちらは富士御殿場蒸溜所の単式蒸留器(ポットスチル)。ストラスアイラ蒸溜所のポットスチルを参考に開発された。初留釜2基(ランタン型)、精留釜2基(バルジヘッド型)の合計4基存在する。初留、精留を経た後にはアルコール度数70%程度のスピリッツが製造される。富士御殿場蒸溜所ではよりクリーンな品質を得るために、「ハートオブハーツ蒸留法」を採用している。蒸留時の留出液の中間のハーツのとりわけ質の良い部分のみを得ることで混じりけのない良質の蒸留液を得ることができる。


巨大なビアカラム
全長20mにも及ぶ巨大なビアカラムの一部。5階建ての建物に収納されている。当然ながらこの蒸留器が入っている建物は蒸溜所内でも最も大きいものである。ビアカラムは外見だけ見ると一つの塔だが、実際は28段のブロックで構成されておりそのブロック一つ一つで蒸留が行われる。この蒸留器は複雑な機構でつくられており様々な配管が張り巡らされている。


蒸溜所の熟成庫内部 熟成庫
富士御殿場蒸溜所の熟成庫内部。「ラック式」と呼ばれる高層まで樽を積み上げられるタイプの熟成庫だ。その高さは15メートルほどにもなり、樽を上部まで運ぶ際は専用の機械が使用される。熟成庫内にある樽の数は3万樽以上で、全て容量180Lの小樽のみに揃えられている。これだけの樽が保管されていると、樽から僅かに蒸発するアルコールの量もかなりのものとなり、熟成庫内部に充満していく。


理想的な環境

富士御殿場蒸溜所でのウイスキー作りにおける大きな特長はもう一つ、「熟成」にもある。一般的にウイスキー蒸溜所ではいくつかのサイズの木樽を使って熟成を行う。これに対して、御殿場蒸溜所で使われる樽は180ℓサイズの小樽を使用する。小さな樽を使うのは、中に詰められる原酒と樽の内面とが触れ合う面積をできる限り大きくするためである。正直な所、この管理は樽を置くスペースもかさばり効率的とは言い難い。しかし、求める味わいを実現するためにあえてこの方式が取られている。
蒸溜所周辺の環境も、ウイスキーの熟成に対して良い影響を与えている。富士御殿場蒸溜所は、海抜約600mの土地に建てられており年間の平均気温は13℃前後。加えて、ここは一年を通して霧が出るような湿潤な土地でもある。このような冷涼な気候と年平均80%の湿度は、樽から蒸発していく原酒の量を抑え熟成をゆっくりと進めるとされている。このような特長的な気候になっていることが、ここ富士御殿場に蒸溜所がつくられた理由の一つでもある。
さて、樽にこだわり素晴らしい気候にも恵まれた富士御殿場蒸溜所の原酒であるがそれでもなお全ての原酒が均一に熟成していくわけではない。原酒のタイプや詰められた樽、熟成庫での位置の違いで原酒の熟成スピードは微妙に変化するからだ。樽一つ一つの熟成度、個性をしっかりと見極め完全に円熟したものだけをブレンドに使用する。富士御殿場蒸溜所ではこの技法を「マチュレーション・ピーク管理」と名付けている。こうして厳正に選び抜かれた原酒は、ブレンダーの卓越した技術により絶妙にブレンドされ、富士御殿場蒸溜所産のウイスキーとして我々の元へ届けられている。

「熟成度」にこだわった富士御殿場蒸留所の新たなるブランド

2018年8月21日に発売された「富士山麓・シグニチャーブレンド」。一般的な「熟成期間・年数」ではなく、原酒や樽毎に異なる「熟成度」に着目し マチュレーションピーク(その原酒が持つ香味的特徴と個性が最も現れている状態)を迎えた原酒のみを厳選。
この原酒を「アイコンズ・オブ・ウイスキー2017」においてマスターディスティラー/マスターブレンダー・オブ・ザ・イヤーを受賞した世界最優秀ブレンダーである田中城太氏が熟練の技術でブレンド。
洋梨やパイナップル、オレンジピールを思わせるフルーティーさと、黒糖などのような芳しい風味、しっかりとしたボディ感を持ち合わせる複層的で円熟した味わいのまさに蒸溜所を象徴するにふさわしいウイスキーに仕上がっている。
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