チーム医療で取り組む歯科医院づくりの実践

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患者さんの歯周病とう蝕の管理ができる“今どき“の歯科医院になるために
歯周病やう蝕の病因論が確立した今、これらの二大歯科疾患には生涯にわたる管理が欠かせないことがわかってきた。いったん治療をして症状や口腔機能が改善しても、人が生きている限り、う蝕や歯周病は油断するとまた再発してくるからだ。また、慢性疾患であることを考えると、患者さんの生活状態や年齢、ストレス、全身疾患などによっても間接的な再発のリスクは高まってくる。

 そのため、これからの「かかりつけ医院」には、歯科疾患の特性を患者さんに伝え、生涯にわたりメインテナンスを受けてもらうことが大前提となる。それは「長い間、患者の口の歴史を知っている(歯科医院側)」「知ってもらっている(患者側)」という患者さんとの新しい関係づくりでもある。当然ながらそれにはすべての患者さんの記録を総合的に蓄積するシステム、歯科衛生士とのチームワークは不可欠となってくる。歯牙欠損が減り、病気そのものの予防や管理が主役となるこれからの歯科臨床。今迄の診療方針・体制に何を具体的に取り入れていくか。時代にあわせた変革を取り入れる時期がきている。
5つのKey ホームデンティスト・プロフェショナルとしての医院づくりのために
HOME DENTIST PROFESSIONAL2では、ホームデンティスト・プロフェショナルとしての歯科診療室を創りあげるために必要な事項を5つのKEYにまとめてみました。これらの5つのKEYは、セミナーを1回聴いただけで明日からできる、という性格のものではありません。
患者やスタッフと一緒に、5年、10年かけて少しずつ歩むべき事項です。焦らず、しかし、止まることなく歩んでいただきたいと思います。

KEY1病因論を正しく理解する
病因論を正しく理解することで、HOME DENTIST PROFESSIONAL であることの必然性がみえてくる。 本シリーズ第1巻で最新の歯周病の病因論と捉え方をマスターしよう。
KEY2長い間患者とつきあいながら健康を維持する
症状のある時に来院する「点」で患者と接する関係から、長い時間軸で患者と関わっていく「線」の関係づくりへ。 それが患者一人ひとりの「健康」を生涯守ることにつながっていく。

KEY3規格性のある記録と検証
患者と長くつきあうためにはカルテやエックス線写真などの従来型の記録だけでは不十分。口腔内写真やその他の様々な記録をとり、 それを検証することで患者や明日の臨床にフィードバックする。それにより新時代の歯科医院になるための最初の一歩。
KEY4チーム医療
連携し、補完しあうチーム歯科診療が大前提。「●●先生は上手だから、しっかりみてくれるから」ではなく、歯科医院単位で一人の患者を受け入れる。 患者から「あそこは皆がいいよ」、「いくとほっとする」と言われることが理想。歯科医院単位で評価される医院になろう。

KEY5熟練した歯科衛生士の育成
まずは歯科医師として、歯科衛生士の力を本当に理解することが大切。 歯科衛生士として歯周病を治せる → 自信がつく → 余裕をもって患者を受け入られらる → 仕事楽しくなるの循環が歯科衛生士が育つ源。 院長にとって最も困難で悩みの多い課題だが、あきらめず、粘り強く取り組もう。

3つのSTEP 自分色ホームデンテイスト・プロフェッショナルの医院づくりを始めるために
STEP1
歯科医院の目標を決める!
~自分の目標は自分で考えよう~
今日、様々なセミナーでは「こうすれば一番!」「これが成功の秘訣!」と、あたかも、一つの正解があるような文言が溢れています。しかし、地域に密着した歯科医療を行うホームデンティスト・プロフェッショナルの目標は、そう短絡的にはいきません。
①地域、患者層、歯科医院の規模、経験、歯科医院総合力
理由の一つは、開業地域がそれぞれ異なるからです。例えば、都会、郊外の住宅地、地方(町村部)、などの違い、あるいはう蝕の罹患率や歯周病の進行度、喫煙の割合など口腔衛生に関する関心度が地域で異なる場合もあります。年齢分布も、若い人口が多い地域と、高齢化している地域もあります。そのような様々な地域や患者層を配慮し、最も有効な健康維持の目標を考える必要があります。
②自分の歯科医院と同じ理想的な目標はない
次に、歯科医院の規模や経験も違います。小規模な歯科医院と大規模な歯科医院、開業してからの年数、スタッフの経験年数はそれぞれ異なるため、すべてを同じように考えるとどこかで無理が生じてきます。
③歯科医院は常に変化している
つまり、一つの理想的な目標とする歯科医院像は存在せず、開業した地域や経験年数などに応じて目標を自ら考えなければなりません。しかも、院長やスタッフの経験、地域環境など変化しているので、常に考え続ける必要があります。

STEP2ここからチャレンジ! 口腔内写真!
~目標とする口腔内写真~

重要事項

①ピントが合っていて、基準となる正中線や咬合平面が直線的に並んでいること
②撮影補助具の口角鈎やミラーの端、鏡像では実像が写り込んでいないこと
③唾液が十分排除され、唾液による気泡や光の反射がないこと

私達が口腔内写真を定期的に撮影し保存する目的は、処置、未処置に関わらず、患者の口腔内の経過を視覚的に追うことを可能にし、時間軸で患者と関わる「線」で接する歯科診療をサポートするためです。そのためには、経時的な比較ができるような基準に沿った構図で、組み写真1セットで一口腔内を網羅する=知りたい部分がすべて見れる口腔内写真が求められます(下図)。

9枚を組んだ時に正中、咬合平面が直線的に並び、全体的にピントがあっている。また、唾液による気泡の映り込みもなく、写真それぞ れに必要な部位が写っている。
①経時的な比較ができる基準に沿った構図
②組み写真1セットで一口腔内を網羅する
➡知りたい部分がすべて見られる口腔内写真が必要

STEP3チームを重んじる歯科医院のルールをつくる!
~チーム全員で共通理念を持とう~
①患者に良いと思うことをする
院長とスタッフ、歯科医師と歯科衛生士、歯科助手、受付、歯科技工士は、それぞれ立場が違います。立場が違っても一致協力するための目標をしっかりと決めておけば、それに向かって全員が常に前向きな気持ちになれるはずです。
筆者は「患者に良いと思うことをする」を物事を決める際の基本ルールにしています。例えば、口腔内写真撮影や、患者データをコンピュータに登録することは結構手間がかかるものです。面倒なことは避けて通りたいと思うのが人情ですが、これは「患者に良いと思うことをする」ですので、前向きにがんばってもらいます(下図)

院長とスタッフは雇用者と被雇用者という越えられない立場の違いがある。しかし、医療に 従事する者として共通の目標を持てると、チームとしてのまとまりができる

②歯科衛生士のアポイント時間も同じ観点で設定する
また、経営的には、歯科衛生士により多くの患者を診てもらいたいと考えがちですが、そうなると、アポイント時間を短縮することになります。しかし、歯科衛生士自身が納得できる診療をするには最低限必要な時間があります。この場合も「患者に一番良いこと」をするために双方が知恵を出し合って適正な時間を決めています。

③患者中心に考えることが医院の文化を育む
このような習慣が歯科医院内の文化になれば、スタッフは常に「患者に何ができるのか」、「何をすべきか」を考える習慣がつきます。逆に院長がいつも効率や収益のことばかり言い続けていると、スタッフは患者のことを考える前に院長の顔色を窺うようになってしまい、真のホームデンティスト・プロフェッショナルの道からは外れていってしまうのです(下図)

スタッフが院長の顔色を窺うのではなく、患者に何ができるかを考えるチームになりたい。 その分スタッフからは次々と要望がでてくるため、院長にとっては厳しいこともあるが、がんばろう!
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