東京デンタルショー2017からみる、歯科医療のコンセプトチェンジ

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去る2017年11月11日(土)と12日(日)の両日開催された「東京デンタルショー2017」(大東京歯科用品商協同組合、北関東歯科用品商協同組合主催)の会場では、最先端機器や口腔ケア製品の展示が賑わいをみせていた。
現在世界には遅れをとりながらも、日本に口腔ケアの重要性への理解が浸透しつつある。増え続ける歯科医院の中で生き残るため、最先端機器を利用した患者満足度の向上にも関心が高いようだ。今回の掲載では、歯科医療のコンセプトチェンジを図る企業ブースの一部をご紹介する。
「治療」から「健康維持のサポート」へ:日本の歯科医療のコンセプトチェンジ
会場で沢山の人を集めていたのは、「予防」「メインテナンス」「訪問口腔ケア」などがキーワードとなるブースだった。国が推奨する「か強診」の影響もあり、以前は歯科治療のごく一部であった分野が、今では歯科診療所の「コア」となりつつある。
長寿高齢社会の中、「いつまでも元気で、楽しく暮らしたい」は国民的欲求でもある。衛生的な啓発から一歩駒を進め、患者一人ひとりの状況、要望にあった口からの健康サポートをどれだけできるか。それが、歯科医院に必要な臨床力となってきている。
株式会社 オーラルケア
ブース内に歯科衛生士向け雑誌『タフトくらぶ』の世界観が再現された。
フォトジェニックな空間の中で多数の女性が最新予防アイテムに触れていた。
株式会社 松風
従来の高い使用性を踏襲しつつ、研磨性を向上させた松風の新製品レジン。
ミニマルインターベンション(歯のダメージを最小限に抑える治療法)としてコンポジットレジンも進化を続けている。
ウェルテック 株式会社
光と水による幻想的な雰囲気が印象的なブース。
自社ブランドの予防歯科材を用いた体験磨きコーナーに多くの女性が集まった。
最新機器の進歩が加速させる補綴治療の標準化
CT、マイクロスコープ、CAD/CAMがもたらす最大の恩恵は何だろうか? 今回CAD/CAM各社のブースでは、世界的にオープン化の流れが進む中、自社製品によるシステムの一本化=補綴治療のトータルソリューションによる優位性が強調されていた。これらがもたらすのは、効率的で、均一な質を持つ補綴治療の実現である。逆に言えば、システム化されてこそ、そのメリットが生きてくると思われる。従来、ともすれば術者の知識、経験、技術に結果が左右されがちであった補綴治療の「標準化」が、今後飛躍的に進んでいくことは間違いない。
株式会社 モリタ
MRというARとVRを組み合わせた最新のバーチャル治療技術。
臨床や教育の場面で活躍することが期待されている。
朝日レントゲン工業 株式会社
アマンギルバッファシステムのミリングマシン。
複雑な咬合面を従来より60%高速に削り出すことが可能になった。
デンツプライシロナ 株式会社
ユーザーの要望に応え、初のオープン化システムを導入。
診療の技術の垣根を超える可能性を秘めている。
株式会社 ヨシダ
光学印象が可能な口腔内スキャナを展示。
高精度なスキャンが可能で、年間100台を売り出している。
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