28Clinic野上歯科医院主催「小児歯科セミナー」

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▲28Clinic野上歯科医院「多田 将人」先生
「生まれた時から始まっているお口と全身の関係」概要
2019年3月31日、熊谷駅より徒歩5分の距離にある28Clinic野上歯科医院の主催で、「小児歯科セミナー(生まれた時から始まっているお口と全身の関係)」が開催された。
小児歯科セミナーの主な対象者は、小さな子どもをもつ養育者である。子どもと一緒に参加の女性を中心に30名以上が参加し、セミナールームは満席に近かった。セミナー講師は、28Clinic野上歯科医院の副院長の多田将人先生だった。
これまで、Dentwave.comは企業主催のセミナーや学会を取材してきたが、今回初めて、歯科医院主催のセミナーを紹介する。一般生活者向けの内容ではあったが、歯科医師として知っておくべき内容も所々紹介されていた。本記事が読者の一助になれば、幸いである。
哺育は「母乳・咀嚼型哺乳瓶」で
▲熊谷駅周辺には多くの観光名所があった
母乳には免疫力を向上させる免疫グロブリン(IgA)が含まれている。また、抗菌作用のあるラクトフェリンなど、乳児に必要な成分が母乳に多く含まれているため、母乳哺育が望ましいとされている。
*世界保健機関は、生後6ヵ月までは完全母乳、2歳児までは、母乳と離乳食の併用を勧めている。
しかしながら、母乳が出にくく、悩んでいる方も多い。その際は、「咀嚼型哺乳瓶」という哺乳瓶を活用した哺育がポイントである。
乳児が母乳を吸う際は、下顎が前方に移動して上下運動し、舌は蠕動運動を行う。咀嚼型哺乳瓶による哺育は、母乳を吸う時と同じ運動を促す。母乳による哺育が難しいとしても、乳児の口腔機能を正常に発達させることが可能である。
一方、従来型哺乳瓶での哺育は、主に口周りの筋肉(口輪筋や頬筋)を使い、咀嚼に必要な筋肉はさほど使われない。そのため、口腔機能が十分発達しないこともある。
母乳と咀嚼型哺乳瓶を活用した哺育をすることにより、乳児の口腔機能が発達することを、我々歯科医療従事者も知識として頭に入れた方が良い。
離乳食開始時期の目安は「成長発育」で
離乳食の開始時期の目安として、教科書的には月齢5-6カ月とされていることが多い。多田先生は、「月齢ではなく、乳児の成長発育の状態をみて、判断した方が良い」と述べていた。
離乳食開始時期の目安
・首が据わり、支えがあれば座れる
・哺乳反射の消失が認められる(スプーンを舌で押し出さない)
・食べ物に興味を持ち始めている


*低出生体重児は、離乳食開始時期が遅れる可能性が高い。
野上歯科医院主催「第二回小児歯科セミナー」の開催日は、5月11日
▲第二回小児歯科セミナーの謎解き(答えは〇〇〇)

野上歯科医院では、小さなこどもをもつ養育者を対象に、全6回にわたり、セミナーを開催していく予定である。5月11日に開催される第二回小児歯科セミナーのテーマは、「これからの離乳食について」である(無料フッ素塗布の特典や、謎解き正解でプレゼントあり)。
今回、初めて歯科医院主催のセミナーを取材したが、自身の予想を上回る参加数であった。野上歯科医院のように、生活者向けのセミナーを医院で開催し、優良な情報を分かりやすく発信することは、新患獲得にも繋がっていくに違いない。

古川 雄亮(ふるかわ ゆうすけ)
日本矯正歯科学会 所属

東北大学歯学部卒業後、九州大学大学院歯学府博士課程歯科矯正学分野および博士課程リーディングプログラム九州大学決断科学大学院プログラム修了。歯科医師(歯学博士)。バングラデシュやカンボジアにおいて国際歯科研究に従事。イエテボリー大学歯学部 "Oscillation course" 修了。2018年より、ボリビアのコチャバンバで外来・訪問歯科診療に携わり、7月から株式会社メディカルネットに所属。主に、DentwaveやDentalTribuneなどのポータルサイトにおける記事製作に携わり、2019年7月よりメディカルネットの顧問。離島歯科医療に従事後、本島で歯科臨床に従事している。

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