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2014/11/27

第8回 事業承継や家族の絆も脅かす相続問題

こんにちは、税理士の三沢です。

経営者であれば必ず考えなければならない問題の1つに、「事業承継」の問題があります。自分が引退すること、死んでしまうことと向き合わなければならないため、非常にデリケートな問題であり、初めてお客様に事業承継のお話しする際には、我々税理士も話を切り出すタイミングをうかがってしまうこともあります。
しかし、いざお話をしてみると、自身の引退を考えることに抵抗がある方もいれば、早く対策をしたいと焦る方‥淡々とドライにお考えの方‥非常にさまざまで、人の考えは十人十色であると、日々感じている今日この頃です。

相続の大改正を控え「事業承継」という言葉もよく耳にするようになりました。
情報社会の現代ですから、インターネットで調べていただければ、一般的な事業承継の対策についてはある程度情報収集して頂けることと思います。
しかし事業承継は、後継者の方の年齢や性格・経験・先代との関係性など、人としての個別事情を含めて考えなければならない部分も多く、具体的な対策となると我々税理士などの専門家と一緒にお考えいただいた方がよろしいかと思います。
ここでは私の経験に基づき一般的な対策についてお話をさせて頂きますが、具体的な対策をお考えの方は、無料相談会やお電話・メール等にてお気軽にご相談頂ければと思います。

1.まずは財産の洗い出しと相続税試算

事業承継の問題を考えるにあたって何よりも先に行うべきことは、財産の洗い出しと相続税の試算です。
ご自宅や現金預金のほかに、クリニックの敷地建物、事業用の機械や備品(法人形態の場合には、医療法人の出資)など、いっさいの財産を洗い出し財産評価を行います。

相続税の試算を行うことで、問題点が浮き彫りとなる場合があります。
我々が目にした問題点の一例を紹介させていただきます。

例1:お持ちの預金よりも、相続税の方が大きい場合
この場合、後継者様は自分の預金から相続税を支払わなければなりません。
後継者様が相続税を支払えるだけの預金をお持ちでない場合には、どのように資金を工面していくのか、早いうちから考えておかなければなりません。

例2:お持ちの財産は、ほとんどがクリニック関連の資産である場合
この場合には、相続人間の不公平感が生じ、遺留分の問題、相続税の支払いが出来るかどうかの問題が考えられます。

このように相続税の支払いが事業承継の障害となってしまうこともあり、場合によってはクリニックの資産を売却しなければ相続税を支払えないという事態にもなりかねません。
このようなことから相続税の試算は必須となると考えられます。

2.事業形態は「個人事業主」? 「法人」?

事業承継の問題を考えるにあたって、事業形態が「個人事業主」か「法人」かによって対策が異なってきます。

「個人事業主」である場合には、クリニックの敷地について、要件を満たせば「小規模宅地等の特例」の適用があります。
(詳細は第3回のコラムをご参照ください。)
この特例は、“相続時”に土地の評価額を減額できる制度ですので、土地を贈与した場合や、法人が所有している土地については、特例の適用がありません。その他、適用要件やどの物件から優先して適用を受けるべきか、分割を行う上での注意点などございますが、ここでは文字数の関係上、割愛をさせていただきたいと思います。

「法人」である場合(出資持分のある医療法人に限る)には、経営者様の法人に対する出資が資産として認識されます。
税務上は医療法人の「利益」と「資産・負債の価額」の2つの要素のみを勘案して株式の評価額を算定します。毎年利益を出しているような法人様の場合は連動して資産も高くなり、出資当時よりも現在の株式の評価額が高くなります。
⇒上記は一例です。医療法人はその形態が多様なため、医療法人の事業承継につきましては、今後、詳しくお話していきたいと思います。

3.さいごに

上記の通り一般的な事業承継対策の一部をご紹介させていただきましたが、スペースの関係上割愛をした箇所も多く、なかなかすべてをお伝えするのは難しいものです。
さいごにお話ししたいことは、お医者様に歯科・外科・内科‥などと専門分野があるように、実は税理士にも得意分野・不得意分野があります。皆様の税理士から事業承継について特にお話がない場合、冒頭で述べた通り話を切り出すタイミングを待っているか、または、相続税や事業承継の分野が不得意である可能性もあるかもしれません。
実際私のお客様の中にも、お付き合いの関係上、通常の医院の申告は従来の税理士に依頼し、事業承継や相続の相談については私の方でお受けしているような場合もございます。
様々なご事情にも柔軟に対応することを心掛けておりますので、ぜひ一度ご相談をお待ちしております。

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