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2014/03/10

第38回 第一回 再生医療資格認定セミナーに参加

2014年3月3日月曜日午後2時から午後6時までの4時間、日本再生医療学会が主催する再生医療資格認定セミナーが京都国際会館で開催された。多くの学会ですでに認定医制度を設けているが、再生医療学会も認定医制度を設ける。その大きな理由は、再生医療に関する法律の施行が2014年度11月に予定されているからである。それにあわせ再生医療学会では、「再生医療認定医制度」および「臨床培養士認定制度」施行のために再生医療資格認定セミナーを開催した。「臨床培養士」は、臨床に応用する細胞を培養したり、調整したりすることになるが、その「認定医」の資格を取るには、試験が必要であり、その試験を受験するには本セミナーの受講が必須条件となる。一方で、「再生医療認定医」は実際に患者さんに細胞を投与することになる医師や歯科医師が対象となり、2014年度からの2年間、移行措置により無試験で認定されることになっているが、その場合も本セミナーの受講が必須条件なために、本セミナーに参加した。

次に、再生医療に関する法律を説明するにあたり、2014年3月5日付けの京都新聞に掲載された記事が理解しやすい思い、転載させていただく。

「再生医療に関する法律が施行される今秋にあわせ、日本再生医療学会は、3月4日、iPS細胞などを使った医療に携わる医師らの認定制度や治療のリスクを補償する保険制度を新設すると発表した。国や損害保険会社と連携し、安全で質の高い再生医療の提供を目指す。認定制度は、再生医療の教育システムを構築し、優秀な医師や再生医療に使い細胞の培養士を養成する狙い。医師は、再生医療の現場での経験や関連論文の発表回数に基準を設け、医療の安全性や倫理をテーマにしたセミナーへの参加や筆記試験を課す。培養士も筆記、実技試験の合格を条件にする。保険制度は、再生医療で問題が起きた場合に対応。再生医療は大半が前例のない治療になり、学会が審査基準の策定などをする。会見した学会副理事長の澤芳樹大阪大教授は、「再生医療として実施されている治療の中には、内容や従事者の技術に疑問符が付くものもある。学会には再生医療の質と安全性を高めるさらなる努力が求められている。」と地元紙は報道した。

再生医療学会の認定医制定には、アベノミクスの3つの矢のひとつの成長戦略が大いに関係している。成長戦略の中核の一つが医療であり、その医療の中で特筆すべき内容として、二つが挙げられる。第1が、iPS細胞研究に10年間で約1100億円の支援をすることであり、第2が再生医療製品の審査期間を大幅に短縮し医療分野の産業化策を掲げていることである。つまり、「国家プロジェクトとして、再生医療を推進する」ということである。国家プロジェクトとなれば、多くの再生医療による治療が国民に対して行われることになりそうだといっても過言ではない。歯科でも、しっかりとこれらの動向を見据えていく必要がある。また、研究者としては、もう一つのプロジェクトとなる米国国立衛生研究所(NIH)の日本版を創設するということにも興味がある。

前述したように、iPSを使った再生医療と共に、自由診療における幹細胞治療の安全確保を目的に再生医療規制法が平成25年11月末ごろに成立する見込みである。
では、どんな法案なのでしょうか。今回のセミナーでは再生医療関連3法が説明された「再生医療推進法」「再生医療安全性等確保法」「薬事法改正法」の3法である。詳しいことについて、機会を改めて紹介したいと思いますので、今回は概要の説明として、少し前になりますが、平成25年5月24日に朝日新聞に掲載された記事を転載させていただく。「再生医療製品や医療機器の承認手続きを簡素化する改正薬事法案と、iPS細胞などを用いた再生医療の安全を確保する新法案を閣議決定した。医薬品を中心にした今の規制を見直し、それぞれの特性にあった仕組みを作る。改正法案では、医療機器は民間組織のチェックで市場に出せる対象を拡大。皮膚の細胞シートなどの再生医療製品も安全性が確認されれば条件付きで承認し、有効性は市販後に検証する。これまで法規制が無かった再生医療や細胞治療は、新法で国への届け出を義務づけ、高リスクの治療は外部の倫理審査委員会の了承を得ることとする。

法規制の理由としては、再生医療にはやはり患者へのリスクが伴う。そこで、細胞や治療法の管理基準を明確にし、もう少し厳しく規制する必要があるのではと考えたのだろう。実際に、骨髄、脂肪及び皮膚などの幹細胞を使った治療が、安全性が担保されていないにもかかわらず、行われているが、国は全くそのことを把握していないようだ。現在、国は把握する方法を持っていない。したがって、医療のリスクに応じた事前承認の義務付けや行政への届け出制、培養施設のCPC(Cell Processing Centerの略称で、細胞培養専用クリーンルーム)の設置など「罰則つきの法規制」が必要と判断したと思われる。と報道していた。

このコラムでは、「再生医療等の安全性の確保等に関する法律」の中で再生医療のリスクを3つに分類しているので、それについて、概説して終わる。また、現在、細胞を美容に用いている医療機関も多いようだが、厚労省専門委員会「再生医療における制度的枠組みに関する検討会」では、豊胸手術や皮膚再生で使われる幹細胞治療についても対象とした。以下に3つの分類を紹介する。

セミナー当日に配布された教本

●第一種再生医療等:高度のリスクを伴う細胞移植を対象として、対象となる細胞はiPS細胞、ES細胞、遺伝子治療、異種動物細胞および同種細胞などを使う臨床研究となる。治療では国の審査と厚労相による事前承認が必要。

●第二種再生医療等:中程度のリスクを伴うものとし、幹細胞を利用しておりHomologous useでないもの、いわゆる骨髄や脂肪などからの間葉系幹細胞の医療が相当するとして第三者機関の審査と国への届け出制としている。また幹細胞以外の体細胞を用いており、ヒトの身体の構造又は機能の再建、修復又は形成を目的とするものとし、線維芽細胞による「皺取り」などがあてはまるものと思われる。

●第三種再生医療等:リスクの低い医療として、幹細胞もしくは体細胞を用いるものでHomologous useのものとしている。これは、免疫細胞(樹状細胞など)を培養して体内に戻す治療などが対象となっていると思われる。これらの医療に関しては、その医療機機関での倫理、審査委員会の事前承認の後、厚労省に届け出が義務付けられる。

下記は第一回際医療認定医セミナーの講義内容である。
1.田代志門(昭和大学研究推進室)「再生医療における倫理」
2.岡田 潔(大阪大学未来医療センター)「再生医療のレギュレーション」
3.紀ノ岡正博(大阪大学大学院工学研究科)「細胞培養加工に求められる施設管理」
4.古江―楠田美保(医薬基盤研究所)「再生医療に求められる細胞培養」
5.中島和江(大阪大学医学部附属病院)「医療チームの安全を支えるノンテクニカルスキル~スピークアップとリーダーシップ~」

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