第37回 イギリス・ウェンブリーで開かれた国際学会に参加

カテゴリー
記事提供

© Dentwave.com

ロンドンから帰国の途にある。今回はWorld Academy of Science, Engineering and Technology (WASET) 学会 の一つとなるInternational Conference on Stem Cells and Regenerative Medicine に参加した。この学会のプログラムを見ると毎月3つの都市で学会が開催されている。たとえば、9月であれば、Singaporeにて9月12日から13日、Istanbulでは9月19−20日、Romeでは、9月26−27日である。ウェンブリー(UK)は、9月5−6日の開催であった。今回だけかもしれないが、その学会の概要を説明し、皆さんの今後の参考にして頂きたい。 会場は、Londonの中心から地下鉄で20分ほどのWembleyのホリデイ・イン・ホテル。駅を降りると目の前に大きなウェンブリースタジアムが見える。ウェンブリースタジアムは,イングランドの総本山であることから「サッカーの聖地」とも呼ばれている。その駅から歩いて10分ほどにて、ホテルの玄関に着くと、玄関に学会の案内はなく、会場を間違えたか? と思わせる。ホテルのフロントで尋ねると、会議場は2階にあるという。階段で2階に上がると、その廊下に机が一つ出ていた。私が指導する大学院生がそこにいたので、ここが会場であることを理解した。 会場は一つの会議室があるのみで参加者は20〜30名ほどであった。その部屋に50名入ったら狭く感じるほどの大きさだ。350ポンドの参加費を支払って学会への参加登録を済まし、頂いたプログラムを見ると、口演が40演題、ポスターが20演題でていた。別に頂いた抄録集に掲載されていた演題は28演題、この数の違いは何だ? 事前にメールで配布されたプログラムには、会期は二日間で、午前中が口演で、お昼頃からポスターセッションと書かれていた。3人の大学院生は、ポスター発表に指定されたが、eメールでの事前の連絡にて、5分のプレゼンテーションがあるとの知らせが来ていた。各自、パワーポイントでスライドを作り、発表原稿を用意し、ポスターは作っていない。全ポスターの発表時間は1時間で、20演題各5分で、プレゼンが終了するのか疑問に感じたが、プレゼン会場以外にポスターの会場は見あたらない。 口演時間が30分遅れて終わり、ポスター発表に移った。口演と同じようにパワーポイントを使って発表が始まる。座長から「残り4つのポスター発表を始める」とアナウンスされた。残り4つ?私の大学院生は3人いるのに?プログラムに掲載されている、ポスターはどこに行ってしまったのか? 1つのポスター発表が終ったが、私の大学院生の名前が呼ばれない。残り3つのポスターで、3人の大学院生がいる。これはどういうことだ? 次に、1人の大学院生の名前が呼ばれた。彼のプレゼンは良かった。しかし、予定時間が過ぎているということで、質疑の時間は省略された。さらに、不安がよぎる。2人の発表の時間が無いのでは?大学院生に、座長に、発表の番はいつですか?と尋ねなさいと指示し、座長が2人の名前のメモった。最終的に、1人の大学院生の名前は呼ばれず、今回の学会は終了した。 発表の当日ウェンブリースタジアムでイングラントの代表チームの試合があった。対戦国のチームは会場となっていたホリデイ・イン・ホテルに宿泊していて、大学院生は記念写真が撮影できたようだ。 今回,成田からヘルシンキまで787型飛行機に初めて乗る機会を得た。昨年、シアトルへのフライトに787型が予定されていたが、機種変更のために今回が初となる。当たり前であるが,機内のトイレが綺麗で新しい。シャワートイレもおむつ交換台も付いている。しいて言えば、手を紙で拭いた後にゴミ箱に捨てるときは、きれいにした手でゴミ箱を触らないと捨てられない点の改善を希望する。窓にも画期的なシステムが導入された。写真のように、段階的に光を遮ってくれる(写真2)、調整が難しいけどおもしろい。席の前にあるモニターの画面操作もしやすい。今回はグレートギャツビーなど見たい映画が多くて、フライトの10時間があっという間に過ぎた。 サンマの記事が今回のフライトのJ機内誌に掲載されていて、その内容に興味を持ったので、引用させていただく。サンマは日本の秋の味覚の代表格の一つとして挙げる人も多く,脂ののったサンマの塩焼きは好きな先生方も多いと思ったからである。去年は1匹100円で買えたサンマ、少し前は300円だった(最終稿の確認時9月23日では138円)。 機内誌のテーマは「秋以外の季節、サンマはいったいどこにいるのか?」である。気になりませんか? サンマの名前 漢字で「秋刀魚」英語で「Pacific saury」 ダツ目サンマ科の海水魚。(ダツ目には、メダカも所属している) 体が細いことから「狭真魚(さまな)」と呼ばれていたのが語源とされ、古くは「三馬(さうま、さまむ)」といわれていた。日本で一般的に食べられるようになったのは江戸時代後期から。背中が暑く、青黒い光沢があり、黒目の周りが澄んでいて、腹がかたいものが新鮮なもの、口先が黄色いもののほうが、脂がのっているようだ。 サンマとは サンマは日本近海からアメリカ西海岸までの北太平洋全域に広く分布し、大きな群れで暖流域から寒流域を反時計回りに回遊する。12〜18度の温度帯を好み、水深20メートルより浅い表層に生息し、動物プランクトンを食べて暮らす。産卵は夏を除いて、ほぼ一年中行っているが、特に冬が盛んだ。寿命は1〜2年と考えられていて、大きいものは体長40センチ前後にまで成長する。店先に並ぶ体長30センチ以上のサンマは、生後1年。 サンマの回遊 日本近海で獲れるサンマは、春先から夏にかけてエサの豊富な親潮水域(北海道千島沖)に黒潮に乗って北上したサンマの群れが来遊。ここでエサとなるプランクトンを食べてグングン成長する。 9月から11月にかけて、脂をたっぷり蓄えたサンマが親潮に乗り、三陸沖、鹿島灘、銚子沖に南下。秋になると産卵のために本州の太平洋沿岸を四国・九州沖まで南下し黒潮水域へ向かう。ここで親潮と合流する黒潮に乗り北太平洋へ運ばれ再び北上する。 サンマ漁 日本のサンマ漁は、7月中旬から一部の漁船が流し網で操業を開始する。主流は8月中旬から解禁となる「棒受け網漁」。8月中旬からサンマ漁(棒受け網漁)は解禁となり、北海道の根室や釧路で水揚げが始まる。国内有数の水揚げ量を誇るのが花咲漁港や釧路漁港。 9月から11月にかけて太平洋沿岸でサンマ漁が最盛期を迎える。熊野灘での漁期は11月下旬から12月。この頃になると産卵のために脂が抜け、身がしまってくる。メスは体長20センチを超えるころから産卵を始め、1回につき1〜2万粒を海面にただ夜流れ藻などに産みつける。 棒受け網漁とは、サンマが光に集まる習性を利用した漁法。撒き餌を使わず、魚体を傷つけずに捕獲できることから昭和24年頃から急速に普及した。 夜間に魚群探知機とサーチライトでサンマの群れを探し、発見したら右舷の集魚灯を照らして群れを誘導する。寄ってきたところで右舷の集魚灯を消し、網を仕掛けた左舷の集魚灯を点灯すると、サンマは船首を回って網の上に誘い込まれ、ここで一気に捕獲される。魚群探知機やレーダーによる水温図データの収集、網から船上へ魚を吸い上げるフィッシュポンプの導入もあり、棒受け網漁によってサンマの水揚げ量は飛躍的に伸びた。しかし、現在は総漁獲制限が行われており、資源の維持安定が図られている。 この秋サンマの不漁が続いているようだ。下記はそのサンマについての日経新聞に掲載されていた記事である。 不漁の原因のひとつはやはり海水温の上昇で、三陸あたりの沖合の温度がサンマの好む15度以下まで下がらないという。魚たちはずーと北の海にとどまっていて下りてこられないらしい。猛暑にゲリラ豪雨、竜巻と夏場に荒々しい気性を招いた地球温暖化は、秋の味覚を奪おうとしている。 水揚げは徐々に増えてきて、値段も昨年に近くなり、食卓に上がりやすくなった。塩焼きを食べながらサンマの回遊について考えてみるのも良いのではないでしょうか。秋は味覚の季節、食欲の秋、おいしいものを食べると元気になります。 宿泊はバッキンガム宮殿の近くだった 写真1: 宿泊はバッキンガム宮殿の近くだった。 窓の遮蔽の調節。これで調節する(矢印) 写真2: 窓の遮蔽の調節。これで調節する(矢印)。
記事提供

© Dentwave.com

新着ピックアップ