第3回 DIAGNOdent

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DIAGNOdentという、う蝕診断用器械のことを知っていますか?。すでに知っている人や、実際に使用している人も多いと思いますが、よく知らない人も知っている人もこのサイトを見て下さい。  

[参考サイト]

KaVo diagnodent KaVo. Dental Excellence.:: DIAGNOdent :: なんだか、最良の診断器械で、信頼性も高くて、予防的で、患者さんの受け止め方も良好で、すぐにでも購入して使用したいと思いませんか?。そう思った私は、まあ、思ったよりはいい値段なので、すぐに購入とはいきませんでしたが、6年くらい前に購入して使用し始めました。 DIAGNOdent の数値の判断基準としては、30以上で充填処置が必要という指示(図1)が一般的ですし、口腔内のリスク評価を併用して50以上で充填処置が必要という指示(図2)もあります。

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使用し始めて、すぐに奇妙なことに直面させられました。1994年に8歳で初診で来院した女の子が、ほぼ3ヶ月毎に定期的にメンテナンスに来院していて、2001年に16歳でカリエスフリーを達成して、継続的来院を続けていました。メンテナンス来院時にDIAGNOdent で測定すると、

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図3のように30、37、40、42、48、95と6カ所にう蝕発生していました。 なんてことだ!!!、せっかくカリエスフリーを達成していたのに!!!。いままでDIAGNOdent なしで診断していたので、見落としていたんだ!!。DIAGNOdentを使用して良かった!!。すぐに6カ所を充填処置して、カリエスリスク管理をもっと強化して、今後はう蝕発生を予防しなくては・・・。 まあ、こんな風に判断するのが普通でしょうが、私は、何のためらいや悩みなく、全く別の判断を下しました。自分のこれまでの臨床経験から、この子の口腔内環境、メンテナンス経過、う蝕発生と測定された歯面の状況(視診、触診)から、本当にう蝕発生しているとは判断出来ませんでしたので、経過観察することにしました。 2年5ヶ月後の2004年にメンテナンス来院時のDIAGNOdent 測定値が、 図4です。

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さらに数値的には進行している箇所もありますが、2年5ヶ月前に30、37、40、42、48、95の6カ所は、少なくともう窩の形成は認められません。2001年の経過観察という判断は正しかったことになりますよね。さあ、では今度の34、47、74、85、99はどう判断しますか?、充填処置ですか?、経過観察ですか?。私はこれまた経過観察と判断しました。 こうなってくると、DIAGNOdent に対してどのように評価すればいいのでしょうか?。もう一度始めに示したURLをクリックしてDIAGNOdentについて調べてみて下さい。ここに書かれていることは誤りなんでしょうか?。それとも私の症例は特別な症例で参考にならない、あるいは測定方法が悪かったので測定値が間違っている、そもそも河野の臨床は信用できない?。 どちらも、誤りではなく、正しいこと、真実です。DIAGNOdentはひとつの道具ですから、使い方によっては有効な道具であり、危険な道具になる可能性があるということです。 このことについては、次回に説明します。

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