歯科衛生士業務を効率化し、器材を洗浄するジェットウオッシャー

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歯科衛生士の業務
 保険制度では、歯科衛生士の算定できる項目は、歯科衛生実地指導料とポケット検査、スケーリング、SRPといった項目が算定できます。しかし、現在の保険では、歯科衛生士単独で算定できる項目は無く、歯科医師の指導の元に歯科衛生士業務を行うことになっています。新人の歯科衛生士も臨床経験の長い歯科衛生士も同じ条件であり、算定する点数も同様です。歯科衛生士の職務は、患者さんに対する医療行為はもちろんですが、バックヤードでの洗浄、消毒、滅菌といった業務も大変重要な項目です。
今回は、器材の洗浄をジェットウオッシャー導入することによる業務の効率化について考察したいと思います。

ジェットウオッシャー
メラサーム10 ㈱ジーシー
強力な水流と専用の洗浄液でタンパク質汚れを徹底除去。洗浄後は熱水による消毒、自動乾燥で雑菌の繁殖を抑えることができる。
ジェットウオッシャー
プレフィルタとHEPAフィルターにより、内部に清潔な空気を取り込む、十分な乾燥で雑菌の繁殖を防止する。

ジェットウオッシャー
洗浄バスケットの組み合わせで、使用用途に合わせた洗浄・消毒が可能。
ジェットウオッシャー
専用アタッチメントにより、ハンドピースやバキュームチップといった中空物の内部の洗浄が可能となる。

ジェットウオッシャーの導入の利点と欠点
利点
・新人、ベテランに関係無く同等の消毒、洗浄業務が行える。
・洗浄には、器材を入れるだけなので時間に余裕ができる。
・洗い物をする際の感染リスクを軽減できる。
・短時間で洗浄、乾燥まで行えるので残業時間が減少する。
・手洗いよりも綺麗に洗浄され、防錆効果もある。
・歯科衛生士の滅菌に対する意識の向上があがった。
・業務に対する効率化をスタッフ間で話し合うようになった。

欠点
・洗える器具がチャンバーの容積に規制される。
・初期導入に水道工事、電気工事などの工事が必要である。
・器材が大きいために設置場所が限られる。
・乾燥工程でプラスチック製品が変形する可能性がある。
・器材が高価で、ランニングコストがかかる。

メラサームのコスト
 メラサーム10を一度運転すると約100円の洗浄液のコストがかかります。電気、水道代もかかりますが、最もコストのかかる経費は、歯科衛生士の人件費です。歯科衛生士の時給を1600円で計算すると10分間手洗い洗浄を行えば267円のコストがかかります。夕方の時間外手当を加算すると時給は、2187円になり、数名の歯科衛生士が残業すると消毒にかかるコストは莫大なものとなります。歯科衛生士による手洗い洗浄とウオッシャーディスインフェクターの作業時間では機械洗浄を用いると作業時間は四分の一以下になります。また、ランニングコストで見えないコストとして消毒室の作業環境の改善が挙げられます。
作業に従事する歯科衛生士の感染リスクの低減は、健康管理といった面でもリスクを大きく軽減し、歯科衛生士の雇用にも貢献します。
メラサームを導入した後の一番の利点
 洗浄、消毒といった単純作業に対する時間の拘束が無くなることにより、歯科衛生士本来の業務であるブラッシング指導や口腔衛生に関する啓蒙に時間する時間が増加しました。洗浄をしていた時間を有効に活用し、診療室への滞在時間も長くなり、患者さんとのコミュニケーションの時間が増加したように思います。歯科衛生士がTBIや予防治療に専念できる時間が増え、医院内に活気が感じられるようになったことは、経営者としてメラサーム10を導入して良かったと思います。
内田昌德

プロフィール

内田 昌德(うちだ よしのり)
医療法人鶴翔会 内田歯科医院
長崎大学大学院歯学研究科(口腔生理学専攻)卒業
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