ネオス・インプラントの審美領域への応用

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ネオス・インプラントの審美領域への応用
今号では、埼玉県でご開業の医療法人社団 大志会 今井歯科 理事長の今井 恭一郎先生よりユーザーレビューをご紹介いたします。
はじめに
数多く存在するインプラントメーカーから、臨床家が、どのようなシステムをチョイスしたら良いのか、悩む時代となりました。ネオスインプラントの特徴は、一言で言えば、シンプルさ。あらゆる症例に対して、現代のインプラント治療学におけるゴール地点まで、迷いなく一直線に進む事の出来る戦略的なインプラントシステムと言い換えることも出来ます。もちろん、このシステムには玄人好みの拘りのテクニック(戦術)にも耐え得る秘密が隠されてもいます。
特に、私が注目したのは、素材が強化チタン・グレードⅣであること、初期固定の良さと表面性状、そして補綴治療のやり易さです。
インプラント治療の醍醐味を知る方の期待に応えてくれるドリルプロトコール、2種類のフィクスチャー形態(ストレートとテーパード)、そしてTCF(Thread Cutting and Forming)デザインを有したスレッド形状が優れているため初期固定の良さは秀逸です。さらに、プロアクティブサーフェイスなる表面性状により、オステオインテグレーション獲得期間が短縮され、ボディー部(Sa1.0)とネック部(Sa0.4)の粗面性状の違いは、長期予後にも優位と言われています。また、見逃してはならないのが、フィクスチャーがガラス容器に保管されている点でしょう。カーボン付着の防止にも役立ち、従来のインプラントフィクスチャーに比較し、濡れの良さが際立ち、施術中の安心感が増します。
補綴治療においては、強固かつ緊密に嵌合するNeoLoc®コネクションを有し、プロビジョナルレストレーションの段階から緩みを感じるたことがなく、辺縁骨の温存にも優位であると感じました。最終補綴物は、Crystaloc™アバットメントスクリューにより32Ncmで締め上げますが、ゴールドスクリューに比較し30%以上の強度があり、耐破壊性は10%増加し破折率は10万分の1に減少していると言われ、長期予後に対する安心感があります。
これらの特徴からも、抜歯即時埋入・即時荷重処置のプロトコールに十分に耐えうるインプラントであると思われます。
2016年4月、日本は25ヶ国目の導入国となりました(※27ヶ国に導入)。私は、ネオスインプラントが日本に導入された当初から使用しているユーザーの1人ですが、今回は、このインプラントメーカーの特徴を踏まえた、審美領域における症例を供覧頂きたいと思います。
【供覧症例】
氏名 T.O
年齢 53歳
性別 男性
主訴 前歯の被せ物がとれた
現病歴 高血圧症
喫煙習慣あり(一日20本~)
現症 #11と#21が連結された硬質レジン前装冠が脱離していた。#11は唇側の根が破折しており、抜歯適用であった。
ネオス・インプラントの審美領域への応用

  • 図1 術前口腔内写真

  • 図2 術前デンタル写真

  • 図3 術前CT写真

【インプラント埋入手術のゴール】
術前の診査診断結果を踏まえ、♯11抜歯後、インプラント埋入手術(骨補填材、メンブレン、CTG)、ティッシュフォーマー(※)を使い、一気にプロビジョナルまで完結する流れを30分間で行う事を目標にした。

図4 #11抜歯

図5 ネオスガイドシステムを使用したインプラント埋入手術(35Ncm、ISQ値71)

  • 図6 インプラント埋入後、ティッシュフォーマー(※)をセットし調整

  • 図7 事前に準備されたプロビジョナルレストレーションと中切歯用ティッシュフォーマー(※)

  • 図8 唇側歯肉の厚み確保のためCTG(遊離歯肉移植術)

  • 図9 ティッシュフォーマー(※)を使ったプロビジョナルをセット(10Ncm)

  • 図10 術後デンタル写真

  • 図11 術後CT写真

  • 図12 術後半年後の歯肉縁形態

  • 図13 カスタムインプレッションコーピング製作

  • 図14 インプレッションコーピングの口腔内装着

  • 図15 印象面

  • 図16 最終補綴物とCrystaloc™アバットメントスクリュー

  • 図17 最終補綴物装着18か月後

図18 最終補綴物装着18ヶ月後CT写真
※ティッシュフォーマー:在庫限りの商品となります
おわりに
抜歯即時埋入は、初期固定を得ると同時に、最終補綴物を意識した埋入ポジションの決定が重要になります。特に、前歯部において示したこの症例は、インプラントの埋入ポジション(近遠心、唇舌、深度、角度)から軟組織の形態(特に歯肉の厚み)、咬合関係が満たされ、さらに即時荷重の諸条件(30Ncm以上、ISQ値70以上)を満たせば、このようなシンプルな手法を用いて、即日で抜歯からプロビジョナルレストレーションまで30分以内で対応が可能になります。そのためには、術者は描いた治療ゴールを歯科技工士と共有する必要性があります。術前の診査、診断の大切さはもちろんのことですが、供覧して頂いた症例のような戦略を達成するには、我々術者が如何に信頼出来るインプラントシステムに出会うかが鍵となるでしょう。
新たなインプラントシステムを導入する上で考慮しなければならい点は、①信頼性(文献に裏打ちされた実績)②操作性③管理の容易さ④将来性(デジタルソリューションへの対応)⑤価格⑥メーカーの生い立ちと考えますが、ネオスインプラントは、すべてを高いレベルでこなす優等生的なインプラントであると思います。老舗メーカーを研究し開発されたコンセプトには、時代の変化を恐れない力強さを感じます。私は、ビギナーの方から難症例を手掛けるアドバンステクニックを求める方まで、このネオスインプラントをお勧めいたします。
医療法人社団 大志会 今井歯科/今井歯科分院 インプラントサロン八潮 理事長・院長・博士(歯学)
今井 恭一郎 先生
1997年 明海大学歯学部卒業
2006年 IDENTAL OFFICE 今井歯科開院
2008年 医療法人社団 大志会設立
2010年 今井歯科分院開院
2012年 ICOI(国際インプラント学会)ディプロマ認定
厚生労働大臣認可 歯科医師臨床研修指導医
ICOI(国際インプラント学会)指導医
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ネオス・ジャパン株式会社
http://www.neoss.co.jp/
TEL:03-5289-3511 FAX:03-5289-3512


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