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2015/02/26

第10回 事業承継や家族の絆も脅かす相続問題

こんにちは。税理士の三沢です。

 

今回は、昨年の末に発表された平成27年税制改正大綱についてお話したいと思います。

今回の改正大綱は大企業に対しては増税色も見えますが、中小企業にとってはかなり減税色の強い内容ではないかと思います。

また個人に対する改正は高齢者から現役世代により財産の移転を推し進められるような改正案が盛り込まれております。

全部をご紹介することはできませんが、重要と思われる部分を中心にご紹介いたします。

 

Ⅰ 法人税

(1)  法人税率の引き下げ

現 行
改正後
中小法人(※1)

年800万円以下

15%(※2)

15%(※2)

年800万円超

25.5%

23.9%

大法人

25.5%

23.9%

(※1)中小法人とは、期末資本金の額が1億円以下で、資本金の額が5億円以下の大法人の完全支配関係にある法人を除いた法人をいいます。

(※2)中小法人に対する軽減税率の特例が2年間延長となり、引き続き年800万円以下の所得金額に対しては、15%(本則19%)の税率が適用されます。

平成27年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。

 

(2)  繰越欠損金の限度額縮小

繰越欠損金の控除限度額が、平成27年4月1日以後の各事業年度において、二段階で縮小されます。なお、この見直しは、すべて大法人に関連するものであり、中小法人については現行通りの取扱いとなります。

 

(3)   ①繰越控除限度額の計算(※)

開始事業年度
控除限度額
現  行

~平成27年3月31日まで

所得金額×80%

改正後

平成27年4月1日から

平成29年3月31日まで

所得金額×65%

平成29年4月1日以後

所得金額×50%

 

 (4) 受取配当金の益金不算入制度の縮小

①制度見直しの背景

企業の株式保有は、支配関係を目的とする場合と、資産運用を目的とする場合があり、それぞれの保有目的により配当収益に対する課税の意味合いが変わってきます。特に、株式の保有割合が低く、投資としての意味合いが強い場合には、他の資産運用手段との間で選択が歪められないよう、課税を強化する観点から見直しが進められました。

②益金不算入となる株式等の範囲

受取配当等の益金不算入制度の対象となる株式等の区分は、株式の保有割合に応じて、次のように分類されることになりました。

 

①現行の株式等の区分

現      行
区分

株式の保有割合

目的

完全子法人株式等

100%

支配

関係法人株式等

25%以上

支配

上記以外の株式等

25%未満

運用

 

②改正後の株式等の区分

改 正 後
区分

株式の保有割合

目的

完全子法人株式等

100%

支配

関連法人株式等

保有割合が3分の1超

支配

その他の株式等

5%超~3分の1以下

運用

非支配目的株式等

5%以下

運用

 

改正後の株式等の範囲では、支配目的と運用目的を明確に区分し、支配目的を示す保有割合が、これまでの「25%以上」から「3分の1超」と変更されることになりました。また、新たに資産運用目的を示す株式等の範囲が創設され、保有割合が5%以下の株式は、「非支配目的株式等」に分類されることとなります。

 

かなりのボリュームになってしまいましたので、個人の改正大綱は次回にさせてください。

では、また次回。

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