第7回 受付業務

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今回は「受付業務」についてです。  医院の受付業務の流れは説明をしなくてもご存知であると思います。 しかし、業務の流れを理解していても、管理は大丈夫ですか? 毎日の診療の忙しさで受付のスタッフにすべて任せっぱなしではありませんか? 「信頼しているから大丈夫!」と断言せずに、的確な管理を行うことが必要だと思います。

先日こんなことがA医院で実際にありました。   開業されてから十数年、院長をはじめスタッフ一同で力を合わせ、順調に地域を根ざした診療をし、多くの患者さんが受診されております。   今回、診療所拡大に伴い、移転の計画や事業計画の作成の為、月報やその他の資料を確認しておりましたが、何点かの不明な点に気付きました。そこで、確認調査を行ったところ、不正を見つけてしまいました。   その後、本格的な実態調査に入りましたが、会計の報告は、スタッフの手書きによるもので、レジスターの明細などの根拠に基づかない数字を書いたものでした。院長は、報告された数字と売上げ金額がイコールであるから問題ないと考えておられていましたが、日常業務の忙しさから、管理がいいかげんになり不正が起きてしまったのです。   この問題は法的な問題になり得ますが、過去の貢献度などを考慮し、大きな問題にせず穏便に対処しました。

 次に、今年の春の診療改定に伴い影響を受けているB医院のお話です。  診療報酬改定の影響はどこの医院でもは少なくないと思いますが、その対策として、院長はスタッフの給与コスト削減に着手しました。  しかしその後、毎日の診療終了後の会計が徐々に合わなくなり、しまいには数千円の誤差が出てしまう事態がおきてきました。金銭的なことでもあり、原因究明や改善などを進めていくうちに、スタッフとの信頼関係もすべてなくなりスタッフから希望退職の話がありました。  このケースの場合、経営改善の為とはいえ、コスト削減の方法をもう少し慎重に選択しなければなりませんでした。まずコスト削減のみを考えるよりも、売上げアップの方法を考えていかなければなりません。やはりスタッフが働いてくれて治療が行える訳ですから、スタッフのモチベーションを下げてしまうことが無いように注意しなければなりません。

 このように受付業務は医院にとっても大事なポジションでもあり、管理方法も会計士を含め話し合いを行い、的確に管理が出来ているかもう一度確認してください。特に歯科診療は自費の比率が一般の医療と比べて高いので、的確な管理が必要だと言えます。   日常診療がお忙しく、なかなか管理までには手が回らないのが現状とは思いますが、ポイントを抑え、管理方法を的確に行いましょう。時々スタッフに数字の内容の確認をするだけでも、「きちんと数字を管理している」という意識づけと責任感を植え付けることができ、不正などを防ぐ1つの方法になるでしょう。

「次回からは医院のトラブルや問題対処について」です。

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