第5回 12万人の潜在歯科衛生士さんに訴える!「戻っておいでよ!」

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 現在、日本に歯科衛生士の資格を持つ者が約20万人。そのうち業務に就いている者が約8万人。つまり、12万人の歯科衛生士が資格を有しながらも、他の仕事に就いているか又は育児をして家庭にいると考えられます。 年間の歯科衛生士養成数(国家試験合格者)が約7,000人。歯科医院では40年前から相も変わらず、毎年毎年歯科衛生士が足りない、足りないと言われてきています。12万人の潜在歯科衛生士さんに何とか開業医に戻って欲しいといろんな会社や自治体、団体も掘り起こし作戦を行っていますが、なかなか成功していないのが現状です。

 何故だろう?何故でしょう?離職した理由は?掘り起こし作戦のキーワードは・・・給料?勤務時間帯?再教育?年齢?仕事の中身?本人の自覚?院長の理念?院長の経営?スタッフ?これらの条件が全て揃ったらあなたは開業医に戻りますか。本当の理由を知りたい人は、直接聞いてみる方法が一番です。

 共通点がひとつあります。就職して何年経っていようが、歯科業界に対するイメージが余り良いとは思っていないことです。また、そのイメージがその離職当時のまま、心の傷(少し大げさかなぁ)として、トラウマのようになってしまっているようです。 第1回(4月のコラム)の中で、歯みがきの気持ちの良さを、時間をかけて幼児に体験させることが、幼児の歯みがき恐怖心を取り除く結果につながるとのお話をしましたが、この現象と似ています。離職した人の心の底にある恐怖に似た感情を心地よい世界に誘導しない限り復帰しないでしょう。ましてや大人でもあり、他の業界で仕事をしていた人も多いはずです。

 この心地よい世界への誘導が、まずは“歯ぶらし屋さん”次に“歯みがき屋さん”の開店なのです。ちょうど、私が“歯ぶらし屋さん”の開店を提案していた時期に、D社の社長さん(“予防管理型歯科医院の創り方”を全国に提案されている)からデンタルケアショップを全国に展開したいから手伝って欲しいと依頼され、その結果、12万人の潜在歯科衛生士さんに呼び掛けることになったのです。

 D社が設立した協会が主催するデンタルケア・アドバイザー養成講座に参画したことで、ドラッグでもなく、スーパーでもないデンタルケアショップ専門店で説明商品を販売するスタッフを養成する仕事ができたのです。 現在、第一期生13名が卒業し、第二期生は4月に50名、6月に26名卒業し、卒業生の何人かは既にデンタルケアショップの運営又は経営をしています。このショップの売上げがスタッフの給料です。売上げが伸びれば、給料も当然上がります。 デンタルケア商品は全て雑貨ですが、この雑貨を消費者に説明して売るという仕事、歯科衛生士の資格を持っている人に勧められて購入するという一連のストーリーが、実は昨今のニーズに合った消費行動なのです。スーパーやドラッグで買うのとは違ったスタイルなのです。

 どうでしょう、潜在歯科衛生士さん!まずは、“歯ぶらし屋さん”を開店してみませんか。これが12万人の潜在歯科衛生士さんに呼び掛けたい新しい歯科衛生士の仕事です。

 私は、歯ぶらし等の販売活動を始めて7年です。これまで歯ぶらし1本のことで、いろいろな地域のネットワークが生まれ、面白い楽しいエピソードもたくさんあります。売上げも年々伸びています。歯科衛生士が個人事業所を設立してこそできる自治体からの歯科保健活動の依頼事業も増え、当初年間3回程度だった依頼も今は年間100回を越える程にもなりました。 是非、このノウハウの全てを伝授したいのです。経験は問いませんと言うより、経験のないのが普通です。だって、どこの歯科衛生士教育においても、オーラルケア商品の販売教育などしていませんから。0からのスタートでできます。あなたが、サービス業が嫌いでなかったら、オーラルケア商品を販売できる専門家として、立派に社会に貢献できるはずです。意外にオーラルケア商品について詳しく知っている人がいない点が、実はこの新しいビジネスの穴場(盲点)なのです。 たかが歯ぶらし・・・されど歯ぶらし!社会のニーズがあなたの仕事(資格)を必ずや生かしてくれるでしょう。

 次回につづく

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