あすなろ歯科の院内コミュニケーション 第6回コラム

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「スタッフといかにコミュニケーションをとるか?」 これが昨年1年間あすなろ歯科で取り組んだ最大の課題であり、また目標でもありました。自分が楽しく仕事をするために、スタッフとのよりよいコミュニケーションを目指して・・・。

ところで「コミュニケーション」って、なんでしょうか? コミュニケーションがうまくいくって、どういう状態でしょうか?

あるセミナーで聞いた話によれば、コミュニケーションとは「人と人が意思、感情、情報を伝え合うこと」だそうです。つまり、相手の意思や気持ちとか、ときにはその人の日常を理解する事と解釈できるかと思います。

人に理解してもらえると、うれしいとか、ほっとするといった感情がわいて、それが安心や信頼につながるのではないでしょうか?

では、コミュニケーションがうまくいかないと、どうなるか。夫婦ですれ違い、家族とすれ違い、恋人とすれ違い、友人と・・・。相手のことが理解できなくなったとき、あるいは相手を理解しようという姿勢を失ったとき、「コミュニケーション」は崩壊するのだと思います。

前回お話したように、私は平成17年10月からコーチングを受講しました。カウンセリングに関してあまり詳しくは知りませんが、たとえばカウンセリングが「理解することは可能である」という立場で行うものだとしたら、コーチングは、「理解できないことにも興味を持って、接していく」姿勢が求められるのです。私がコーチングを受講しながら学んだのは、人はそれぞれ異なっているけれど、その違いのために相手から遠ざかるのではなく、相手に興味を持ち、その人と関わろうとする意識が必要である、ということでした。

人間は自分と異なるものに出会ったとき、違和感を感じるものです。それは時に恐れになったり、怒りになったり、脅威と感じることもあるでしょう。「最近の若者は宇宙人だ!」なんて言いますが、私も若いスタッフに対して脅威を感じたり、恐れにも似た感覚を抱くこともあります。

でもその脅威に対して、好奇心をもち、興味をおぼえ、自分から関わろうとする気持ちになれるかどうかが、相手に理解を示す、最終的にはコミュニケーションがうまくいく秘訣なのだと思うのです。相手の話や姿勢に対して「えっ、なにそれ、教えて!」という感じでしょうか。興味をもってもらえれば、私だってうれしいし、スタッフだってうれしいはずです。自分を知ってもられえたら、人は安心するのです。

現代人は人間関係が希薄だと言われます。それを希薄にしているのは、つまり自分の殻に閉じこもっているのは、言うまでもなく私たち自身です。では、人間関係を築くには? まずは相手を理解しよう、関わろうという気持ちを持つことでしょう。そしてさらに、自分自身も壁を破って、自分をさらけ出すことが必要だと思います。私はこんな人間ですと、こちらが自分について伝える事をしなければ、相手はなかなか自分の事を話してはくれないと思うのです。

相手を理解するために、よりコミュニケーションをとるために、こんなことを心がけています。

より多くの時間を共有すること。 多くを知り、多くを語ること。 相手に興味を持ち、相手の存在を認め、尊重すること。 相手の成功を願うこと。 ときには待ち、ときには我慢すること。

スタッフに信頼される人間になるために、こころを傾けて話を聞き、思いを伝えるようにしています。そうすれば、みんな笑顔になり、笑顔になれば元気が出て、そしてそこには信頼が生まれると思うのです。誰だって自分の話を聞いてもらいたいはずです。

今あすなろ歯科でやっていることです。

朝礼とミーティングを行う。 私とスタッフが同じ休憩室を使用する。 医院の駐車場でのバーベキューや、月に1回程度の飲み会による「飲みにケーション」。 スタッフ一人一人と話をする(個人面談)。 全員で同じT-シャツ作り、セミナーに参加する。 医院見学をスタッフ全員で行う。 全員で同じ本を読む。

おかげさまで、昨年とは比べものにならないほどコミュニケーションは取れています。しかし人間の欲求はどんどん強くなるもので、私もさらに高いものを求めています。1つのことを解決すると、次のステップに進みたくなる自分がいます。

コミュニケーションはとれるようになりました(過去と比べればですが・・・)。そして今は、もっと前向きに仕事をしてほしいと思っています。つまり、仕事に対するモチベーションを向上させたいのです。そのためにはどうしたらいいかと考えています。スタッフと私が単にコミュニケーションをとるだけでは成り立たないものが、あるように思います。

さまざまな話を聞いてみると、成功する企業では、スタッフが社長と同じ志や、同じビジョンを持っているようです。上に立つ人間のビジョンに共感できるかどうか、それによってスタッフのモチベーションが上がったり、あるいは維持されたりすると考えています。

軽井沢の星野リゾートの社長である星野佳路氏は、こう言っています。 「任せれば人は楽しみ動き出す。」 スタッフをどこまで信頼できるか、どこまで仕事を任せられるか、人として信じることができるか。そうしたことが、仕事上でのコミュニケーションの根底にあると、今は感じています。

でも任せた時に、スタッフ自身がそれをやり遂げたいとか、何とかしたいという気持ちを持っていないと、結局その仕事は放りだされてしまいます。良い仕事をするためには、各人がその職場において不可欠な人間になり、自尊心を持つことが必要だと思います。

あすなろ歯科におけて、すべての問題が解決したわけではありません。今でも私は、どうやったらスタッフとのコミュニケーションを向上させ、モチベーションを維持できるのか、さらにはスタッフに共通のビジョンを持ってもらい、信頼して仕事を任せるにはどうしたらいいか、苦悩しています。

長々といろいろ書きましたが、この連載のおかげで、自分の気持ちを整理することができたように思います。最後の最後までまとまりがなく、読みにくい文章になってしまい、申し訳ありませんでした。

このような機会を与えていただき、また最後まで読んでくださった方々に、この場をお借りしてお礼を申し上げます。本当にありがとうござました。

あすなろ歯科      院長 野村英孝

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