第2回 ラジカルプライベートレッスンについて

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 今回は私が2003年より自身のラボで主宰している、「ラジカルプライベートレッスン」についてお話ししたいと思います。 このレッスンでは、大きく3つの種類にコースが分かれています。  1. 個人を対象としたもの    2. グループ(ラボ、スタディーグループなど)を対象としたもの    3. 企画もの(フルマウスを製作する10回コースなど)

 このプライベートレッスンの特徴としては、基本的に実技研修会であり、研修内容については受講生サイドが自由に決められるというところにあります。もちろん、講師の私自身が教えることが可能な内容に限られますが(笑)! 勉強する内容は、明日の臨床に直結するものであることが前提です。

 まず、電話やメールなどで勉強したいご希望や、現在臨床上、困っている点などを具体的にうかがったうえで、レクチャーならびに実習の内容を検討し、双方、納得のうえで開催を決定いたします。内容によっては1回から数回に分けて受講していただくことになります。

 これまでに受講された方の中には、遠方から受けにいらっしゃった方、ご夫婦で10回近く受けていただいた方、ハイブリッドレジンを徹底マスターしたいと数回にわたり受講した後、オールセラミックスを数回受講していただいた方など、様々な方々が、それぞれの目的を持って、受講されています。

 ほとんどの場合がそうですが、技術的なことで話し込んでいるうちにあっという間に時間が過ぎて、実習が終わるころには夜の10時を過ぎてしまっているというようなことが多くあります。時間を気にしないでとことんやれてしまうのは、プライベートレッスンならではで、終了後の片付けをするころには私も受講生の方たちも、どっと疲れが出るという感じです。(もちろん、充実感に満ちたものですが…)

 先日、プライベートレッスンについてのお問い合わせの電話がありました。電話の声では若そうな歯科医師の先生からでした。インレー・クラウンの基本からメタルセラミックス、義歯の設計までを勉強したいとのこと。さて、何回かかるか? 2年もあれば何とかなるでしょうか? プランを立てて、じっくりと打ち合わせすることになりました。でも、こんな、熱意のある先生がいることには正直、驚きでした!

 グループを対象としたものでは、ほとんどの場合にオールセラミックスを中心としたもので、新潟、山形などの遠方からもご依頼をいただき、出張して行きますが、おいしい物を食べられるなど、旅の楽しみも味わえるので(もちろんお土産もですが)、喜んでお受けしています(笑)。

(図1a)画像クリックで拡大表示 (図1b)画像クリックで拡大表示 図説: プレッサブルオールセラミックスOPCを用い、ステイン法によって製作したインレーとラミネート。デモで製作したもの

最後の企画ものですが、これまでに、ハイブリッドレジン、プレッサブルオールセラミックス、ジルコニアセラミックスなどの素材を使いこなすための内容で、中級者以上の方々を対象に行ってきました。(図1a、図1b)

(図2) プライベートレッスンを受講された方達と、家族を含めて夏の1泊旅行を行った際の記念写真!

  小人数制で行っているせいか、受講生同士の交流も深くなりやすく、私も含めて皆さん長いお付き合いをさせていただいています。(図2) 

(図3)大阪会場(有限会社TFC)

  こんなラジカルプライベートレッスンも2005年春から、安藤幸治氏(有限会社TFC代表)のご協力で大阪会場もでき、(図3)活動の場が拡大しました。

 また、2006年の1月より企画ものの1つとして、東京と大阪で「ラジカルクラブ」という年間10回の実習コースを設け、オールセラミックスを通して、形態、機能、色調をトータルに学習しながら、それをいかに臨床に取り込んでいくかを模索するコースを始めました。

 そこでは、受講生一人一人がメンバーとしての自覚と誇りを持って意見を出し合い、私がそれをまとめていくというものです。

(図4) 患者様に対して、メタルフリー レストレーションを啓蒙するための オリジナルグッツ

  そんな中からメンバーの意見を取り入れた形で、患者啓蒙用のクラブオリジナルポスター、待合室で流していただくためのビデオの製作なども積極的に行っています。(図4)

 この、プライベートレッスンがどんな経緯で始まったのでしょうか。それはメーカーの主催する実技実習講演会をやらせていただく中で、致し方ないとはいえ時間的な制約があり、伝えるべきことが十分に伝えられないというジレンマ、参加者が多いと受講生も聞きたくても聞けないでやりすごしているのではというジレンマ、結果として、双方に消化不良の部分が残ってしまっているのではないかと考えたからです(もし、これを読んで下さっている方の中で、そのようことのない実技講習会に参加された方がいらっしゃいましたらご容赦ください)。

 また、主催者側との関係において、受講生の方々に言いたいけれども言えないようなことも当然あったりもして(笑)、それも消化不良の大きな一因であると思われます。

 その点、少人数を対称に自分のラボで行うのことは、時間の制約も使用する材料の制約もなく、ありのままの自分の技術を伝えることが可能ですし、受講生側においても自分自身のペースで進められるので質問も気軽にすることができて、疑問に感じること、知らなかったことなどが細かな部分まで理解することができて、即、翌日からの臨床に役立てられる技術と知識が身につくのではないかと考えたからでした。

(図5) アメリカにて、オールセラミックスOPC3Gをプライベートレッスンで受講した際の筆者!

  実際に自分自身も、オールセラミックス(OPC3G)はそのような形式で海外にて受講した際に実感しました(図5)。とても、贅沢な実技講習会でした。

 これからも、需要のある限り、この方式で続けていきたいと考えています。  今後の活動目標としては、2008年春からは初心者を対象にした4回コースを計画中です。「詳しくはホームページを!」(笑)

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